更新日:2006年3月24日

EU-UNU 東京グローバルフォーラム
支援活動の強化、効率化および迅速化
貧困撲滅のためのグローバル・パートナーシップ

人類の6分の1が絶対的貧困の状態にある現在、開発に勢いをつける必要性がこれまでになく緊急なものとなっています。近年、中国やブラジル、インドをはじめとする多くの途上国が記録的な発展を遂げる一方、途上国の大半は厳しい状況に置かれているのです。

2005年9月に開催された国連世界サミットは、国際社会のリーダーなどが採択5年目を迎える国連のミレニアム開発目標 (MDGs) の達成を再評価する機会となりました。具体的な進展は見られるものの、2015年までに目標を達成するためには、先進国と途上国がともに力を合わせ、一層の努力を重ねていく必要があります。

開発それ自体の意義のみならず、世界の安全保障や人権、環境保護における開発の重要性の認識のもと、欧州連合(EU)はこれまでも、そして現在も、この分野における中心的な役割を担い続けています。EUは2004年の世界の政府開発援助(ODA)の半分以上を提供しており、2015年までに国民総所得(GNI)の0.7%に到達させるというMDGsの目標を達成すべく、今後10年間、さらに援助を増やしていくことを約束しています。

日本もまた、開発援助委員会(DAC)平均の3 倍にあたる89億ドル(純支出)という大規模なODAを実施しています。日本のODAの受け入れ先は主としてアジア・太平洋地域であり、これらの地域では、経済インフラが整備されることによって2億人近い人々が貧困から脱することができました。

「EU-UNU東京グローバルフォーラム」は、EU、国連および日本の政策決定者や専門家が相互に意見を交換する場を提供します。駐日欧州委員会代表部と国連大学の共催による年次国際会議の第6回目にあたるこの会議は、両者の間に存在する緊密な協力関係を反映するとともに、今後の両者の協力、また日本のパートナーとの協力のためのアイディアを引き出す機会となります。

1. 開発と貿易

貿易は、開発と貧困撲滅において極めて重要な役割を果たすことができます。両者の間にこのような、直接的ではないにしろ、重要なつながりがあることを認識し、EUは、世界の最貧50カ国から輸出される(武器および軍需品以外の)製品に対して、広大なEU市場への無税・無枠のアクセスを提供する「武器以外すべて(Everything But Arms)」政策を実施しています。

国連のミレニアム開発目標(MDGs)は、富裕国と貧困国の間に「開発のためのグローバル・パートナーシップ」を築くことの重要性を強調しています。MDGsに関する2005年版の報告書によると、途上国の製品の3分の2近くが無税で先進国に輸出されており、先進国と途上国の間の国際貿易について実質的な進展があったことを示しています。

日本はアフリカ開発会議(TICAD)の枠組みにおいて、アジア・アフリカ貿易を積極的に推進してきました。また、アフリカとのビジネス交流の促進および製品開発の推進にも積極的にかかわっています。

途上国が貧困から脱却するためには、安定性と透明性の高い規制改革や法制度改革、司法改革、制度改革により、魅力的なビジネス環境を整備するといった努力を自ら行う必要があります。EU、国連および日本は、途上国がこういった自らの役割を果たしていく上で、これまでの成果をもとにいかなる支援を行えるのでしょうか。香港閣僚会議の結果、世界貿易機関(WTO)はこの動きに対し、どのような貢献ができるのでしょうか。

2. 開発、民主主義、人権

開発、民主主義および人権は相関しています。2000年版の国連の人間開発報告書によれば、「一定の生活水準、十分な栄養、保健および教育、適切な労働、そして災害からの保護は開発目標というだけではなく、人権でもある」。EUも同様に、アフリカ・カリブ海・太平洋(ACP)諸国とのコトヌー協定などの協力協定に、人権に関する規定を盛り込んでいます。日本のODA大綱にも「民主化の促進に十分注意を払う」ことが記されています。

実際、開発を人権の枠組み内に置くことで、世界中の生活水準の向上に貢献することができます。人権の実現はしばしば極貧によって妨げられるため、国際協定の各署名国は、生きていくのに必要な基本物資や国民の教育から労働者の権利や社会開発に至るまで、次第に国民をより豊かにしていくことが求められます。必要とするすべての者に開発が確実に行きわたるようにするためには、いかなる手段があるのでしょうか。

3. 開発と安全保障

最近発足した国連の「より大きな自由を求めて(In Larger Freedom)」キャンペーンは、アナン事務総長の唱える「開発、安全保障および人権という国連の3大目標」の追認を目指しています。同様に、欧州委員会のバローゾ委員長は、アフリカにおける開発に対するEUの強いコミットメントとの関連で、「安全保障なくして本当の開発はありえない」と述べています。

 相互に関連しあう今日の世界では、もはや安全に対する脅威を純粋に地域的な現象ととらえることはできません。開発援助は、紛争後の地域の安定化とテロリズムの防止に集中させなくてはなりません。さもなければ、海外援助やその他の援助を、こういった脅威に対応するために効果的に使用することができるでしょうか。

4. 開発と環境

 開発と環境保護は一見対立しているように見えますが、EUと国連は両者を調和させる努力を行ってきました。国連と世界銀行が最近行った調査では、開発援助を環境保護と結びつけることは、貧困の削減に効果があることが示されています。同様に、EUは一貫して、環境の保護を目指す開発政策を推進してきました。気候変動をはじめとする多くの地球環境保護に関する課題について、EUは日本の強力な支持を受けています。

 このパネルでは、環境に関して持続可能な形で開発を進めていく方法を具体的に探っていきます。途上国の自然資源が環境に配慮した形で利用されるよう、これらの国はどういった法律を制定することができるのでしょうか。環境に優しい成長モデルに即した開発を維持できるよう、超国家的組織や多国籍企業、個人はどのような役割を果たすことができるのでしょうか。




国連大学について

国際連合大学は、1972年の第27回国連総会で設立が決まり、1975年より活動を開始した国連の学術機関で、今年30周年を迎えます。人類が直面する緊急課題の解決に世界各国の優れた学者が協力して取りくむ場を提供し、その成果を広めること、それが国連大学に与えられた使命です。国連大学の活動は、東京の本部を中心に、各国にある研究・研修センター(プログラム)、提携・協力関係にある世界の大学や研究機関、それに研究者個人からなるネットワークを通じて展開されています。


駐日欧州委員会代表部は、欧州共同体(EC)の行政執行機関であるEC委員会(現欧州委員会)の駐日代表部として、1974年に東京に設立されました。代表部の主な使命は次のようなものです。

  • 日本において欧州委員会と日本政府との間の連絡役を務め、二者間の関係維持を図る
  • 日本国内で起こるEUの関心事の動きを追い、欧州委員会本部(ブリュッセル)に報告する
  • 日本社会のあらゆる階層との対話を通じて、日・EU関係の促進を図る
  • 在京加盟国大使館や欧州ビジネス協会などと協力し、日本における欧州の存在
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