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人道的危機のための協力を考える──国連大学、欧州連合が包括的国際会議
国連ミレニアム報告書によると、1990年代の世界各地の戦争による死者は500万人を超えている。さらに1999年末時点での国内避難民と国外に庇護を求める難民の合計は1800万人を越えており、この数字を見ただけで、悲劇がいかに広がっているかを知ることができる。
社会が崩壊し、武力紛争が起こると無辜の市民は移住を余儀なくされ、重大な人権侵害を被り、またインフラの破壊や生命を失うなどの不幸の犠牲となる。しかも紛争は国内に止まらず、地域的・国際的な平和や安定に悪影響を及ぼすことが多い。
国連大学と欧州連合(EU)駐日欧州委員会代表部は、世界の緊急な課題に関する国際会議を共同開催していくことに合意していたが、その初めての試みとして今年1月25、26の両日、東京渋谷の国連大学本部ウ・タント国際会議場で、国際会議「人道的危機におけるパートナーシップ:紛争の予防・管理・解決 ― 包括的アプローチに向けて」を開催した。外務省、朝日新聞社の後援で開催されたこの会議の主な目的は、国際社会が直面している人道的危機に対する、国際社会の対応を改善するための実際的な改善案を提言し、同時に一般の関心を高めることであった。
初日の25日(木)には、荒木清寛外務副大臣、ハンス・ファン・ヒンケル国連大学学長、オブ・ユールヨーゲンセン駐日欧州委員会代表部代表大使が開会のあいさつを述べ、続いてポール・ニールソン欧州委員会開発・人道援助担当委員が「人道的危機:21世紀の挑戦」をテーマに基調講演を行った。同日の討議はセッション1「紛争予防」とセッション2「紛争管理」で、2日目の26日(金)にはセッション3「紛争解決」とパネル・ディスカッションが行われた。
主なスピーカーとして、グレニス・キノック欧州議会議員、明石康日本予防外交センター会長、緒方貞子前国連難民高等弁務官、マリ・フィツダフ紛争解決・民族問題国際プログラム(INCORE)ディレクター、デビッド・マローン米国国際平和研究所所長、BBC英国放送協会のファーガル・キーン氏、住川治人 朝日新聞論説副主幹などが登壇した。
会議の参加者は、効果的な紛争予防の課題、国内紛争に対する国際的対応のジレンマ、紛争解決の幻想と現実などの課題について意見を交わした。また人道的援助拠出国・拠出機関、非政府組織、ニュース・メディアの役割に関する広範な問題も検討されたが、特に、どうすれば理論を効果的な行動に移すことができるのかという点に焦点が当てられた。最終セッションでは、中心議題である「人道的危機におけるパートナーシップ」について、パネル討議を行った。
今後の国連大学と欧州連合の国際会議シリーズでは、開発協力、人道的援助、危機管理などの領域の、国連大学、EU、日本が深い関心を持つ課題を中心に検討を進める。
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