2001年11月    



「グローバル・エトス」国際会議
──世界の知識人が国連大学で文明の未来を語る

連大学と国連大学高等研究所(UNU/IAS)は、国連開発計画(UNDP)と東京フォーラムの後援を得て、2000年10月24日の国連デーを初日に、3日間にわたる国際会議「グローバル・エトス」を東京渋谷の国連大学本部で開催した。この会議は、我々の伝統的な価値観、倫理観の枠組みを揺るがしかねない現代の種々の問題やジレンマに焦点を当てた、グローバルな対話を促進するためのもので、全世界から多数の学者、実務家、思想家が参加した。

 この会議の背景には、最近の科学技術、さらには政治や社会思想の著しい進展にともない、人類社会に対するわれわれの心構え、取り組みが大きく変化し始めたという認識がある。この新しい状況は、安定し、平等で公正な世界秩序に特徴づけられた新時代に人類を導いてくれる可能性を秘めている。しかし一方、こうした進展に注意深く対処しなければ、すでに過度の負担に苦しんでいる地球の自然環境をさらに圧迫するだけでなく、地球規模の貧富の差をさらに拡大し、国際政治上の意思決定を行うための知識と影響力が一部に集中する現在の傾向をさらに強める危険もある。

 今回の会議はわれわれが直面している重要な課題を討議し、人類すべての進歩のための共通の基盤を見出す機会となるものである。会議は相互に関連する四つのテーマ、すなわち(1)グローバル資本主義と持続可能な開発、(2)科学・知識・倫理、(3)国際社会の正義・公正、(4)宗教・ジェンダー・文化に分かれて、現在、国際社会の注目を浴びている実際的な問題を中心に討議を進めた。会議では10のパネルが開かれ、豊かさと貧困、遺伝子研究の倫理、宗教と文化、正義の国際化、ジェンダーと女性の権利などをテーマに討論が行われた。

 基調講演には、ハンス・クング(独チュービンゲン大学エキュメニカル研究センター名誉所長)、トーマス・アクスワージー(米ハーバード大学教授)、ヤース・キム(ユネスコ哲学倫理局ユニバーサルバリュー・プロジェクト前担当官)の諸氏が当たった。

 この会議後の10月27日には「グローバルな倫理と価値観に関する国際青年シンポジウム」が開催され、各分野の博士、修士課程の学生たちに、国際会議と同じテーマによる討議の機会を提供した。

 グローバル・エトスに関する国際会議の成果は、「国連文明間の対話年:2001」の活動に反映される。会議の講演資料の一部は、http://vulab.ias.unu.edu/GlobalEthos で見ることができる。

 

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