1998年 7月     


UNU Nexions 書評

「環境・エネルギーと経済:持続可能性のための戦略」(Environment, Energy, and Economy: Strategies for Sustainability)
茅陽一、横堀恵一共編、国連大学出版局、英文、373ページ、4,490円

本書は国連大学会議で発表された「地球環境、エネルギー、経済開発」に関する論文を集めたもので、以下のようなテーマが取り上げられている。

  • 炭素税は排気ガスの削減にはあまり効果的ではない。
  • 技術を利用して環境の悪化を遅らせることは可能で、途上国はこれらの技術によって、先進国が冒した過ちを乗り越えることができる。しかし技術を最大限に利用しようとすると、エネルギー価格が不当に高くなったり、社会が問題の程度を理解しないなど、利用を阻む障害が出てくる。政治家はこうした障害を除去する努力をすべきである。
  • 途上国のエネルギー消費は増加しており、世界の環境問題の悪化を加速している。
  • 気候変動や計量経済学的モデルの開発を進め、その結果を評価する必要がある。
  • 森林伐採や砂漠化等の深刻な問題に真剣に取り組む必要がある。
本書は環境やエネルギー問題に携わる専門家や政治家にとって、重要な課題を的確に分析している。

「ラテンアメリカの地域的メカニズムと国際的安全保障」(Regional Mechanisms and International Security in Latin America)
オルガ・ペリサー編、国連大学出版局、英文、158ページ、2,240円

ラテンアメリカやカリブ海地域では、さまざまな安全保障についての考え方が共存している。この地域ではいま、米国の「無視できない」役割を中心とした、興味ある安全保障問題の論争が行われている。オルガ・ペリサーはこの論争を4つのポイントに分けて検討する。第一の問題は地域の冷戦後の安全保障であり、第二は国連および中米の平和維持のケーススタディである。第三は、南半球安全保障の問題である。第四のポイントはラテンアメリカの視点から見た、国連安全保障理事会の最近の決定である。これらの4つの問題について、多様な視点からの分析が提示されている。 本書は La seguridad internacional en America Latina y el Caribe: El debate contemporaneo の英語版である。