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| | 1998年 3月 |
伝統工芸から持続可能な開発の可能性を学ぶ
金沢で伝統工芸と地域振興のシンポジウム
自然を注意深く見る−−陶芸家の粘土、織り工の絹、鍛冶屋の火などを通して見ると、自然の可能性と限界の両方が見えてくる。そう語ったのはハンス・ファン・ヒンケル国連大学学長。昨年11月6、7の両日、金沢市で開かれた国際シンポジウム「伝統工芸と環境:地域振興の可能性を求めて」での基調講演である。
このシンポジウムは国連大学高等研究所(UNU/IAS)といしかわ国際協力研究機構(IICRC)が共催した会議。生態学的にやさしい文化と経済開発のバランスを取る方法として、伝統的な産業工芸の振興を検討するのが目的であった。

ラトナ・ラナいしかわ国際協力研究機構所長(左)とハンス・ファン・ヒンケル 国連大学学長 |
UNU/IASとIICRCは、最近開始された科学技術研究振興のための共同事業のパートナーである。この事業は、持続可能な開発を実現するために必要な、消費者の日常的な行動の劇的な変革を求める、エコリストラクチャリングに重点を置いている。
シンポジウムに参加した人々は、開催都市である金沢が地域のすぐれた伝統工芸職人を軸に、生態系に優しい工芸産業を発展させてきた実績に強い印象を受けていた。
ファン・ヒンケル学長は、工芸家たちは自然の素材を使っており、技術を環境と調和させている実例と言えると述べていた。「われわれは自然と開発が調和した、技術的、社会的、文化的解決方法を見出す必要がある。要するに、人間の生活条件を荒々しいものではなく、優しいものにする技術がほしいのだ」と学長は語った。
シンポジウムの重要な成果の一つは「伝統工芸と環境に関する金沢アピール」の採択であった。このアピールは環境と融和する産業工芸についての研究を促進するものと期待されている。
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