アフリカのルネッサンス ムベキ南ア副大統領、アフリカ復活を強調
アフリカが混沌から脱却し、国際社会の責任ある一員として復活する「アフリカのルネッサンス」が、今求められている。4月9日に国連大学本部で講演したターボ・ムベキ南アフリカ副大統領(写真)はこのように述べ、大陸固有の問題を自ら責任をもって解決し、同氏の言う「巨大な知恵のかたまり」を活用し、アフリカ・ルネッサンスの夢を実現しなければならない、と訴えた。アフリカ大陸の苦悩は近代の策謀に歴史的責任があり、アフリカはそれを傍観することを止め、自ら再生を目指すべきだというのである。アフリカはめざましい発展の新段階に向けて「離陸」した。世界はそのアフリカに背を向けるべきではないし、過去数百年にわたってアフリカ諸民族を異形の生物のように見てきた習性も改めるべきだ、とムベキ氏は言う。このような固定観念を世界が捨て去った時、はじめて「生活水準の向上にとどまらず、人間としての尊厳の向上につながる、アフリカのルネッサンス」が現実のものとなる、と同氏は指摘する。 ムベキ氏はネルソン・マンデラ大統領の後継者と目されており、いまでは南アの国家運営に重要な役割を担っている。1994年に就任したマンデラ氏は、最近は政務をムベキ氏と閣僚にゆだね、もっぱら国家建設に専念している。その間、ムベキ氏は堅実に実績を重ね、1996年に南ア政府が市場重視型の経済政策への移行に踏み切ったのも、同氏の力によるものである。マンデラ氏と同じく、ムベキ氏もアパルトヘイトに抵抗し、人生の大半を黒人の人権擁護闘争に捧げてきた。マンデラ氏と並ぶ自由の闘士として、政治改革への熱意、政治家としての指導力と組織作りの才能を実証している。現在の南ア政府が国有産業の民営化を進める過程で選挙民や組合の反発に合わなかったのも、彼のカリスマ性によるところが大きい。また、民営化で発揮した手腕で、白人経営者が大半を占める南ア経済界の信用を勝ち得たともいわれている。 ムベキ氏の上げた成果は国内にとどまらない。世界中の報道機関が内戦や自然災害といった暗いニュースだけでなく、アフリカの国家建設など、建設的なニュースを取り上げるようになったのも、彼の働きかけによるものだ。 「アフリカの開発は世界の最も重要な課題だということを、国際社会に認識させることが重要だ」とムベキ氏は講演でも語っている。新たな成熟度に達したアフリカを世界はこれまでとは違う視点から見なければならない。先進国はこれまでアフリカを慈善行為の対象程度にしか見ていなかったが、もはや「アフリカのために何ができるか」ではなく「着実に前進し始めたアフリカとどう付き合うか、ほかの途上地域にアフリカを参考にさせるには何が必要か」を考えるべき時に来ている、と彼は主張する。 アフリカは緊急な課題を二つ抱えている。アフリカ自身の手で、アフリカの土地や天然資源の管理運用を改善すること、もう一つは国際社会の中でともすれば「援助中毒」視されてきたアフリカのイメージを、「ビジネスのパートナー」に切り替えさせることだ。これができれば、アフリカと世界市場を結ぶパイプが太くなり、競争力のある商品であれば、北米、欧州、アジアなど、どの市場でも買い手が現れることは確実だ。 国連大学もこうした問題の研究を進めている。ガーナに「アフリカ天然資源研究所(UNU/INRA)」という、国連大学独自の研究・研修センターを設け、アフリカ各国が豊かな天然資源を持続可能な形で利用する方法を探り、食糧の自給体制を確立する手助けをするという、二つの目的を追求している。このほか、アフリカと海外市場の関係強化の方法を研究する三つのプロジェクト、「グローバル・エコノミーにおけるアジアとアフリカ」、「南アフリカ共和国と南部アフリカの新しい関係」、「サハラ以南アフリカの低開発・移行・再建」を進めている。
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