国際講座の講師は、国連大学学術部門の専門職員と外部の専門家からなる、学者と実務担当者のチームが共同で各科目を担当します。これが国連大学国際講座のユニークな特徴です。また、受講生が講師たちと直接接触できることと、国連大学学術部門の研究者らが学術面のカウンセラーとして受講生に助言など側面からの支援を行うことも大きな特徴です。講座の内容は国連大学本部と世界各地に設けられた国連大学研究・研修センターあるいは研究・研修プログラム(RTC/P)で実施される研究プロジェクトに関連するものが多く、対象は大学院生及び必ずしも分野専門家ではないさまざまな職業の社会人で、講座の内容はかなり高度なものとなります。講義はすべて英語で行われます。
講座の構成
2000年5月に開かれる6週間の4講座は次の4テーマで行われます。
1科目6週間の講座は18セッション(週3セッション)で構成されます。そのうちの1セッションは補完的講義、ディスカッション、あるいは特別講義に当てられます。各科目とも、かなりの読書量と自習が必要ですが、日程は各科目ごとに予習、復習に十分な時間が確保されるように配慮されます。
受講生の研修成果
国連大学国際講座の受講生は次のような研修成果が得られます。
研修環境と施設
受講生のため以下の研修サポート環境が用意されます。
国際的教授陣
国連大学国際講座は国連大学本部が管理運営に当たり、各科目の教科主任は国連大学学術部門の専門職員が担当し、一部の講義も受け持ちます。原則として各科目の教授陣は、国連大学本部ならびに各国連大学研究・研修センター(あるいはプログラム)在籍の学術職員、各科目に関連のある国連大学の研究プロジェクトに参加している研究者、国連諸機関など国際機関の関係者、さらに世界各国の著名な大学教授ならびに関連分野の専門家などで構成されます。
国連インターンと就職ガイダンス
国連大学は、国連および関連するのその他機関でインターン(実習生)としての勤務を希望する受講生に対して便宜を図り、国連機関を含めた関連諸機関に対して、就職手続き書類に国連大学国際講座修了証書が添付されている場合は、特別の配慮をするよう要請します。それら機関と取り決めを結ぶべく努力します。これについては国連ならびに各国政府、その他機関の関連部局と協力を得て実施します。
なお、国際講座を履修した優秀な日本人で国際機関などでインターン(実習生)として働くことを希望する方については、選考の上、1998年7月にタジキスタンで殉職された秋野豊国連タジキスタン監視団政務官を記念して日本政府から国連大学に拠出された資金のなかから、財政的援助(旅費及び滞在費)が提供されます。
受講料と奨学金
受講料は1科目が10万円、2科目同時受講する場合は15万円。途上国出身者を対象に限定数の奨学金が用意されます。奨学金授与の条件は、2科目を同時受講する受講生で財政援助の必要性が確認された者に限られます。奨学金を希望する場合は、国連大学奨学金申込書に記入のうえ提出すること。申込用紙は、事前に国際講座係りから受け取ること。
宿泊施設
国連大学は、東京都内居住者をのぞくすべての受講生のために、都内および周辺地区の大学学生寮など、低料金の宿泊施設を確保します。
修了証書
全受講生には講座修了式当日、科目ごとに修了証書が授与されます。修了証書授与の条件には、6週間の受講期間中に受講科目ごとに英文で約5000語の研究論文を完成させることが含まれます。
国連大学国際講座申し込み要領
国連大学国際講座受講希望者は、所定の申し込み用紙に記入のうえ、卒業大学の成績表とTOEFL得点表に推薦状3通を添えて、2000年1月31日までに下記の国連大学国際講座係まで送付して下さい。(各科目定員20名、書類選考あり) 規定の講座期間中に2科目まで同時に受講できますが、さらに他の科目の受講を希望する場合は次年度の講座に申し込むこと。このように、国連大学国際講座は柔軟な運営を基本としています。受講生は、6週間の受講期間中に国連大学学術職員の指導のもとに論文(英文)を書き上げることが義務づけられており、受講申し込みに当って上記書類のほかに履修科目ごとの論文テーマ(あるいは概略)を事前に提出することが求められます。
〒150−8925 東京都渋谷区神宮前5−53−70
国連大学本部 国際講座係
電話: 03−3499−2811
FAX: 03−3499−2828
E−mail: mbox@hq.unu.edu
2000年度の講座申し込み締め切り: 2000年1月31日(必着)
国連大学ホームページ http://www.unu.edu/ic/ に国際講座の詳細と申し込み用紙が載っています。
「武力紛争と平和維持活動」
目的
民族問題や宗教がらみの内紛など、今日のあらゆるタイプの武力紛争と国連による世界各地での平和維持活動について、伝統的なものと最近の新しいタイプのものを含めて、その歴史と役割を考察します。さらに、平和維持活動における国連と地域機関の協力の可能性と、 21世紀への境目での武力紛争の予防、管理、解決へ向けた国際社会の努力にともなう挑戦とチャンスについても検討します。
第1週
第2週
第3週
第5週
第6週
講師陣
国連大学「平和とガバナンス」プログラム専門職員(いずれも教職経験者で、国連による伝統的な方式と新しいタイプ双方の平和維持活動および紛争解決に関して多数の著書を出版した実績をもつ)、国連平和維持軍司令官、特別代表、UNDPKO専門職員、学者など(国連大学主催の1999年度国連デー・シンポジウム「国連平和維持活動」のパネリスト、「平和とガバナンス」プログラムの諸プロジェクトの講演者などから選ぶ)。 「環境の制度とガバナンス」
目的
環境の諸制度は、持続可能な開発とグローバルな環境ガバナンスの達成に中心的役割を果たします。このことを踏まえて、本科目では環境のグローバルな制度と地域的な制度の二つを取り上げます。さらに、環境ガバナンスにおけるこれら制度の役割と多国間環境諸協定(MEA)の制度的側面についての考察を行います。とくに重要な意味を持つ三つのMEA、 すなわち気候変動枠組み条約(FCCC)、砂漠化防止条約(CCD)、生物多様性条約(CBD)については詳しく考察します。カリキュラムではこれら条約の科学的根拠と、関連する国際法規と条約との関係に重点が置かれます。受講者はこの3種のMEA相互の連関について討議と考察を行います。演習では受講生全員がシナリオ設定と模擬交渉に参加します。
第1週
第2週
第3週
第4週
第5週
第6週
講師陣
[国連大学] 環境と持続可能な開発プログラムの学術専門職員(地球環境パートナー シッププラザ、国連大学高等研究所関係者を含む) [学者] MEAの科学的側面を担当する各国研究者 [専門家] MEA策定と交渉に携わる学者、実務専門家など 「人権:概念と問題点」
目的
人権と、人権をめぐる問題を歴史的、比較的、かつグローバルな視点から考え、現実的解決策を見出す能力を身につけさせることを目的とします。 この科目の最初の部分では、人権の概念とその裏にある規範を理念と理論両方の視点から考察します。さらに、人間の権利がどのように認識され、異なる国民や歴史、文化の文脈のなかで定義づけられてきたかについても検証します。次に、人権問題に携わる国際機関や非政府機関の果たすさまざまな役割と活動を点検し考察します。全体像の説明と、法律と政治的掛かり合いの分析に続いて、国連人権委員会、国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金 (ユニセフ)など、特定の機関に関して事例研究を行います。また、パレスチナなど、いくつかの異なる地域における人権と難民の問題についても検討します。最後には、冷戦後の世界における国際的人権問題を取り上げます。
第1週―人権:概念と規範
第2週―国民、歴史、文化の文脈でみる人権
第3週―人権関連の機関とその活動の法的、政治的分析
第4週―難民と児童と人権
第5週―人権:経済的・政治的問題
第6週―冷戦後の世界における国際的人権問題
講師陣
人権問題を専門とする大学教授などの学者。国連人権高等弁務官事務所、国連難民高等弁務官事務所、ユニセフ、国連人権委員会など、人権に関する国連諸機関の関係者。
「国際貿易と紛争処理」
目的
二国間および多国間国際貿易の政治的、経済的、法的側面に関して受講生の知識を高め、貿易紛争、通商協定などを客観的に分析する能力を身につけさせることが狙い。 まず、多国間貿易交渉、GATT(関税貿易一般協定)、WTO(世界貿易機関)、その他の途上国、先進国双方がかかわる主だった貿易交渉や協定の歴史と政治経済学を概観します。そのあと、自由貿易、公正取引、文化的/構造的貿易障害のほか、WTOその他の紛争処理機構に関する現在の議論を分析するなかで、貿易紛争全般のルールを基本とする紛争処理について理解を深めます。
第1週―国際貿易の政治経済学
第2週―先進国間に存在する主な貿易問題と通商協定
第3週―途上国がかかわる主要な貿易問題と通商協定
第4週―地域主義と貿易に関する各種制度
第5週―ルールに基づく多国間貿易システム
第6週―WTOと貿易紛争処理
講師陣
国連大学学術専門職員、各国大学教授、その他、貿易問題に詳しい研究者、ならびにWTO、国連貿易開発会議(UNCTAD)など貿易に関連する国際機関の関係者。