2004年08月30日
UNU/J30/04
 
 

 

国連大学、持続可能な開発の分野でASEANとの協力強化へ


国連大学は今般ASEAN との間で、持続可能な開発の分野で協力関係を強化することで合意に達し、外務省の招きにより訪日中のオン・ケン・ヨンASEAN事務総長が去る24日東京青山の国連大学本部を訪問、ヒンケル学長も同席し覚書の署名式が行われました。
 国連大学は1998年にASEAN との協力関係を結んで以来、多国間環境協定やバイオセーフティ 、都市における環境政策、生物多様性保護のための保護区域の管理の充実といった様々な活動や共同プロジェクトを実施、持続可能な開発の問題に取り組んできました。今回の覚書は、こうした実績をふまえつつ更に協力の強化を目指すものです。
域内経済共同体の構築を2020年をめどに進めているASEANは、加盟各国の環境保護を確保しつつ持続可能な開発のためのメカニズムを備えたクリーンでエコロジカルな機構の確立を目指しています。

 オン事務総長は、経済成長と持続可能な開発がバランスのとれた形で並存すべきとの点については全加盟国が認識を一にするものであるとした上で、「そうした持続可能な開発、貿易と環境の分野における研究活動や人材育成面で、国連大学との連携を深めたい」旨発言。
これに対しヒンケル学長は、「国連大学はこの分野におけるノウハウと、世界のトップレベルの大学・研究機関とのネットワークを既に確立しており、ASEANが持続可能な開発と成長を両立させていく上で貢献したい」とし、更にASEAN 加盟各国について、貿易と環境に関する諸課題への理解を深め、国際社会の場でうまく交渉を進める力を付ける必要性についても言及しました。

 国連大学は今後、ASEAN加盟国を対象とした研修活動や、ASEAN事務局ほか域内各地でレクチャーシリーズを実施するほか、バイオディプロマシー や途上国の科学技術政策、都市のエコシステム、持続可能な開発に関する政策、及び持続可能な開発のための教育といった分野で研究を行っている国連大学高等研究所(UNU-IAS、本部:横浜)に、ASEAN 出身の研究者を受け入れるプログラムを計画しています。 オン事務総長とヒンケル学長はまた、ASEANと国連大学に、日、豪、NZなどのいわゆるASEAN ダイアログ・パートナーを加えた形での連携についても同日合意し、フェローシッププログラムの実現に向けて、こうした協力関係が活用されることが期待されています。


1 東南アジア諸国連合(Association of South East Asian Nations)、本部ジャカルタ。
2 遺伝子組換え生物が、生態系・生物多様性へ悪影響を及ぼさないよう講じる措置、あるいはその考え方。
3 バイオテクノロジーやバイオセーフティの国際ガバナンスを取り扱うバイオ面における外交。