国連大学は昨年3月に日本政府から、1998年7月にタジキスタンの国連タジキスタン監視団の活動中に殉職した秋野豊政務官を記念する事業費として、1億円の拠出を受けました。国連大学と外務省はこの基金の半額の5000万円で、5年間の「秋野記念中央アジア研究プロジェクト」を新設することに合意しました。このプロジェクトの全体的なテーマは「中央アジアの平和と環境」であり、中央アジア研究に従事する若い日本の学者の研究活動に資するものです。
秋野記念フェローシップの提案を審査する委員会は、国連大学の佐藤英夫 学長上級顧問、小堀巌 学術顧問に加えて、小松久夫 東大教授、宇山智彦 北海道大学助教授、塚谷恒雄 京都大学教授らの研究指導教官によって構成されています。同委員会は昨年11月24日に行われた会議で次の4人の秋野フェローを決定しました。これらフェローは今後最長で1年間、中央アジアでのフィールドスタディーに従事することになります。研究テーマはいずれも、国連大学の二つの重要なプログラム領域である「平和とガバナンス」、「環境と持続可能な開発」に即したものです。研究指導教官は秋野フェローが日本国内で研究を進める間の指導に当たります。
広瀬 陽子 氏:東京大学大学院法学政治学研究科博士課程。テーマは「旧ソ連における民族紛争の平和的解決の模索:ナゴルノ・カラバフ紛争を事例として」。フィールドスタディーはアゼルバイジャンのバクー。
伊地 哲朗 氏:ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(LSE)国際関係学部博士課程。
テーマは「タジキスタン内戦における国際的紛争解決」。フィールドスタディーはタジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタン。
川端 良子 氏:金沢大学理学部付属低レベル放射能実験施設講師、農学博士。テーマは「ゼラフシャン川流域における環境汚染の地球科学的研究」。フィールドスタディーはウズベキスタンのザラフシャン川流域、タシケント、サマルカンド。
清水 克之 氏:大阪府立大学農学部農学生命科学研究科水資源環境工学研究室博士課程。
テーマは「カザフスタンにおける水・塩分バランスモデルによる農場レベルの適切な水管理」。フィールドスタディーはカザフスタンのクズィルオルダ地域シルダリヤ下流左岸。
4人の秋野フェローは1月11日に国連大学で指導教官から研究指導を受けました。フィールドスタディーは今年早々から開始されます。
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