2004年PDF版
国連大学
国際講座 (UNU/IC)
UNハウス、東京
2004年5月17日 - 6月25日
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序 文
国連大学は、第5回「国連大学国際講座」を2004年の5月17日から6月25日までの6週間、東京の国連大学本部で実施します。この講座は、将来、国連機関や多国籍企業、国際的NGO、それに各国外交機関など、公的および民間の両分野で国際的職務に就くことを希望する各国の大学院生と大卒資格をもつ社会人のために、国連大学が毎年開く短期集中研修講座です。講座ではグローバルな問題を理論と実践の両面から考察します
。
講師は、国連大学内外の研究者および専門実務家がチームを組んで各科目を担当します。専門実務家は国連諸機関の専門職員が大半を占め、それがこの講座の際立った特徴でもあります。受講生は講師らと直接接触でき、また、国連大学学術部門の研究者らが学術カウンセラーとして受講生に助言や指導を行います。講座の内容は、国連大学本部と世界各地にある国連大学研究・研修センターあるいは研究・研修プログラム(RTC/P)で実施されているさまざまな研究プロジェクトに関連するものが中心です。講座は高い学術的レベルをめざしますが、その分野以外を専門にする大学院生および分野の異なる仕事に従事する人も受講できます。
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講座の構成
第4回国際講座(2004年5−6月)は次の4科目で構成されます。
- 「国連システム――国際公務と今日のグローバルな課題」
- 「環境と持続可能な開発」
- 「人権―概念と問題点」
- 「国際協力と開発」
各科目はそれぞれ90分授業18回で構成し、授業は週に3回づつ、6週間継続して実施します。各科目ともかなりの読書量と自習を必要としますが、科目ごとに日程は予習、復習に十分な時間が確保できるよう配慮されています。
毎日の時間割
授業日には3回(10:00−11:30、14:00−15:30、17:00−18:30)の授業を行います。1日3回の授業がすべてひとつの科目で行われることはありません。最終的な時間割は2004年5月に発表します。
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受講の効果
国際講座には次のような効果があります。
- 主題に関する高度で洗練された洞察力が身につく。
- 分析力と問題解決能力が向上する。
- さまざまな学術的、職業的背景と多彩な民族的色分けを代表する、世界各国からの講師や受講生との知的交流ができる。
- 多様な文化的背景の受講生との共同作業を通じて、人的交流のネットワークが広がる。
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学習環境
学習環境にも以下のメリットがあります。
- 講師を務める専門研究者と専門実務家がそれぞれ相互補完的に理論面、実践面からの視点を提供する。
- 国連機関職員を含め、各国有数の研究者、専門実務家らによる招待講演を聴く機会がある。
- 図書館を含め、国連大学の施設と参考文献、資料等を自由に利用できる。
- 講師以外の国連大学学術スタッフによる、小人数のグループでの身近かな指導と助言が得られる。
- 日本の社会、文化、生活に触れるとともに世界有数の先端的大都市(東京)での生活を体験できる(主として日本以外の国からの受講生の場合)。
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国際的講師陣
国際講座は、国連大学本部が実施するもので、各科目の教科主任は国連大学の学術専門職員が担当し、一部の講義も受け持ちます。原則として各科目の講師陣は、国連大学本部および世界各地の国連大学研究・研修センター(あるいはプログラム)在籍の学術専門職員と科目に関連する国連大学研究プロジェクトに参加している各国研究者のほか、国連諸機関およびその他の国際機関の職員、各国の大学教授、関連分野の専門実務家などで構成します。
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受講料と奨学金
受講料は、1科目が10万円、2科目同時受講する場合は2科目で15万円です。途上国出身者*には限られた数の奨学金が用意されます。途上国出身者で2科目同時受講し、かつ財政援助の必要性が裏付けられることが条件です。奨学金希望者は、国連大学奨学金申込用紙に記入して下さい。申込用紙は国連大学のホームページで入手できますが、ハードコピーを希望される方は「国連大学国際講座係」へご連絡下さい。
*http://www.worldbank.org/data/countryclass/classgroups.htm#High_incomeを参照 ― 高所得国に分類されている国以外のすべての国からの参加者が国連大学奨学金申し込み資格を有します。
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宿泊施設
国連大学は、東京都内居住者を除くすべての受講生のために、低料金の宿泊施設を都内に確保しています。
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修了証書
1科目以上を無事修了した受講生には国連大学国際講座修了証書が授与されます。修了証書授与の条件として、指定されたテーマの小論文の内容、出席状況、クラス討論での積極性などが勘案されます。
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「国連大学国際講座」申し込み要領
国連大学国際講座受講希望者は、所定の申し込み用紙 [MS WORD/PDF]に記入のうえ、卒業大学の成績表とTOEFL得点表(英語が母国語でない方は、TOEFL-Paper-based 550 / Computer-based 213- 以上または同等の英語力を証明するもの)を下記の「国際講座係」に提出するほか、3人の方からの推薦状が必要です。いずれも、2004年1月15日(必着)で受付を締め切ります。提出書類は推薦状を含めてすべて英文のものしか受け付けませんので、ご諒承ください。
規定の講座期間中に2科目まで同時に受講できます。
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問い合せ先:
Ms. Wilma James, Training Assistant, United Nations University Centre
5-53-70 Jingumae, Shibuya-ku,
Tokyo 150-8925, Japan
Tel: +81-3/3499-2811;
Fax: +81-3/3499-2828;
E-mail: james@hq.unu.edu
申込締め切り:2004年1月15日(必着)
応募数が多いため、申し込み受領の通知はいたしません。また、選考結果はショートリストに入った人にのみ連絡します。
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選考基準
応募者の選考は基本的に国連大学国際講座委員会が次の基準に照らして行います。
- 応募者の学歴および職歴と受講希望科目との関連性およびレベル
- 応募者が希望する科目と応募者の将来目指す職業との関連性
- 地球規模の諸問題に対する応募者の関心度
- 分析能力
- 大学の成績と専門領域での経験
- 英語力
国連大学は国際講座を含む研究・教育事業の全般において、地理的配分およびジェンダーのバランスと真の多様性を実現するよう努めています。
各科目の概略
(各科目の週ごとのテーマは変更されることがあります)
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「国連システム ― 国際公務と今日のグローバルな課題」
目 的
グローバリゼーションの流れには、国家間システムのかつての脇役から国際政治の主役へと役割を変えはじめた国際機構が、その要の部分として介在するようになっています。とはいえ、主権国家と力の政治はいまだに国際システムの中枢でありつづけています。いまや、国際連合はその伝統的役割に加えて、さらに広範囲にわたる任務を課せられているだけでなく、その主要プレイヤーとしての地位を維持することが要求されています。
本コースでは、国連機構、その主要機関、国際システムのなかでそれらの機関が果たす役割と、平和の推進と安全保障の維持に関して国連機構が行う活動を紹介します。コースでは国際公務員制度の概念と規範そして実際の情況を踏まえつつ、国連の進化の歴史的経緯と現在の国連のもつ重要性について討議します。この観点からもっとも緊急を要する数々の国際的課題への対応で国連が果たす役割についての考察と分析を行います。さらに、国際の平和と安全保障の確立・維持において国連がより建設的かつ枢要な機能を発揮するために必要とされる機構改革に向けた、いくつかの提案についても取り上げます。
国連創設後の数年、国際公務は目新しい革命的概念とみなされていました。消滅した国際連盟に端を発するこの「偉大なる実験」に当時、パイオニア精神の再現を見るひとも少なくありませんでした。独立性、不偏性、公共性を掲げるこの「新しい人間集団」は国際社会のルール、正義、進歩、制度を下支えする要となるはずでした。国家群で形成されるいまの世界で、この理想主義が現実となる日はいつくるのでしょうか。
第1週――現在の国際関係と多国間主義
- 序論:国際システム
- 国際連盟以降の国際機関
- 自由討論「グローバルガバメントか、グローバルガバナンスか」
第2週――国際公務の起源
- 国際公務の“古典的”モデル
- 脅威にさらされる“古典的モデル”
- 国際公務に関する構造的アプローチ
第3週――国連事務局
- 事務局創設の経緯
- 事務局の権限、問題点、限界
- エージェント制による事務総長選任案
第4週――国際公務と平和と安全保障
第5週――国際公務とグローバルガバナンス
- 国際公務と暫定統治機構(例:カンボジア、東ティモール、コソボ)
- 国際公務と平和の推進
第6週――国連改革
- 疑問視される多国間主義と国連の対応:事務総長の改革提案
- 理想主義と有効性の結合・企業文化・民間部門との共同作業
講師陣
国連大学「平和とガバナンス」プログラムの専門職員と外部から招く講師が講義を担当します。
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「環境と持続可能な開発」
目 的
本コースは、国連大学研究ネットワークの学術的資産を活用し、さらにコフィ・アナン国連事務総長が「持続的開発」と「情報化社会」に関する二つの世界サミットで提案した「ミレニアム開発目標(MDGs)」、とくに「環境持続性の確保」という7番目の目標と「水と衛生、エネルギー、健康、農業、生物多様性に関する構想」(WEHABイニシアティブ)のなかで国連全体が関心を寄せる諸問題を取り上げることで内容の充実をはかります。そこには生物物理学や社会学、経済学が相互に絡み合う問題や、地元社会の積極的参加、関連機関の能力強化など、持続可能な開発の諸目標達成に欠かせないテーマも含まれます。本コースでは、環境そのものと、人間と環境の持続可能な形での相互作用のあり方を理解するため、環境と持続可能な開発に関係のある時事問題や政治問題も取り上げる予定です。
土地の劣化、森林破壊、砂漠化、大気と水質の汚染、人体への影響、生物多様性問題、沿岸管理など、一連の問題の社会的、政治的、経済的側面について理解を深めるため、それらに関する事例研究も行います。参加者は、各種環境問題の管理に欠かせない領域横断的アプローチを経験することになります。本コースではとくに再生可能と再生不能な天然資源の双方にかかわる具体的問題と途上国でのこれら問題の対応に付随する独特の難しさもひとつの焦点になります。また、環境への深刻かつ累積する影響をいかに軽減するかについても検討します。これは開発事業あるいは開発政策が環境との関連で許容しうるか否かを判断するうえで絶対に必要な作業です。カリキュラムにはこのほか、地球ならびに地域のレベルでの環境問題、環境政策、環境ガバナンス(管理)についての分析も含まれます。
第1週――持続可能な都市化
- コース概要
- 持続可能な工業開発
- 人間の安全保障――災害被害の軽減
- グローバリゼーションと都市環境の変化
第2週――水の危機
- 水質アセスメント
- 地球規模の水危機
- 国際水域のガバナンス
第3週――脆弱なエコシステムの管理
- 土壌の劣化と持続可能な生活のあり方
- アグロダイバシティ
- 生物多様性の諸問題
第4週――脆弱なエコシステムの管理(続き)
- 砂漠化対策
- 地形学―環境―社会のリンケージ
- 環境と貧困の緩和
第5週――環境ガバナンスと情報
- 各種多国間環境協定のインターリンケージ
- 情報と社会
- 教育における情報技術
第6週――地球環境の現状
- 地球環境―監視
- 地球環境―モデリング
- 全コースの復習
講師陣
講師は、国連大学「環境と持続可能な開発」(ESD)プログラム所属の学術専門職員と外部から招く環境問題の専門研究者が担当します。
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「人権―概念と問題点」
目 的
人権の概念は、民主主義のシステムと国際的制度の発展に基本的役割を果たしてきました。しかし、その範疇、異なる文化を背景にした場合のその妥当性、あるいは国家主権を乗り越える理由づけとしての正統性に関しては、いまだに議論が続いています。このコースは、適切な歴史的、比較的、かつ全地球的視野に立って人権問題を取り扱い、今日の人権に関する諸問題について現実的な解決を見い出すために必要な知識と分析能力を受講生に学習してもらうことが目的です。コースは、国民性や歴史、文化など、それぞれに異なる文脈のなかでは人権の認識や定義に違いが生じることに慎重に配慮しつつ、人権概念の理論的あるいは法的根拠、さらにその進化の歴史的過程と政治的意義を展望することからスタートします。この理論的基礎に立って、人権機関の法的基盤と政治的機能の点検・評価を行います。また学習した一般的知識を応用かつ援用しつつ人権擁護の実態、人権関係の協定や制度の歴史と現状を分析します。とくに女性と子どもの人権、難民の保護、そして人権と開発など、現在、大きく論じられている問題領域に焦点を当てます。最後に、人権に関する各地域の制度を比較分析することによって、さまざまな人権問題相互間のインターリンケージを探ります。
第1週――人権―概念と規範
第2週――人権関連機関とその活動の法的・政治的視点からの分析
- 国際的人権擁護協定と組織の歴史的経緯
- 国連機構内の制度的メカニズムおよびその有効性評価
- 各国政府、非政府組織、専門家などの役割
第3週――人権をめぐる現在の問題――女性と子どもの人権
- 女性と子どもの権利に関する規範、制度、実態
- 国際的視点と国家的視点のリンケージ
- 事例研究
第4週――人権をめぐる現在の問題:女性と子どもの権利
- 女性と子どもの権利に関する規範、制度、実態
- 国際的視点と国家的視点のリンケージ
- 事例研究
第5週――人権をめぐる現在の問題:少数民族と先住民族の権利
- 少数民族と先住民族の権利に関する規範、制度、実態
- 現在の問題点、事例研究
第6週――地域的視点――アフリカとアジアにおける人権保護体制
- 地域的人権のメカニズム――アフリカ地域の人権システム
- アジアにおける人権保護システム
- 比較的視点
講師陣
人権問題に詳しい国連大学の学術職員と外部から招く研究者および人権関連機関の専門職員が担当。
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「国際協力と開発」
目 的
国際開発の基本的要素と、国際協力と開発がもたらす結果との関連性について理解を深めることが、このコースの目的です。前半では、開発の理念と実態にみられる進化の概要、そして世界各地の人間と国家と市場の間での相互作用を比較した分析結果を紹介します。この部分では、開発の必要性と、その前途に横たわる障害を分析するための理論的手法について考察します。つぎに、開発にまつわる主要問題領域、とりわけ経済成長、貧困解消、教育、医療、ジェンダー、文化、民主主義、正しいガバナンスなど切迫した政治的問題と、これらの領域での進歩を速めるべく努力する国際社会の行動のあり方を検証します。
コースではとくに、既存の市場秩序を乱すグローバル化の問題とグローバル化時代における開発戦略の課題を重視し、国際協力における異なるアクターの役割と国際協力の最善のあり方について考察します。シアトルに続いてワシントンとジェノバで起きた大規模なデモ騒動を勘案し、貿易と開発の問題そして世界貿易機関(WTO)の役割をめぐる論争を中心に討議するほか、開発援助に携わる主要アクターが直面する課題についても取り上げます。国連とブレトンウッズ・システム、さらに日本の開発援助諸機関の有用性についても討議します。
第1週――開発の理論、歴史、政策
- 全体の概要説明と序論
- 開発理念と実態――概観
- 国際協力の進化
第2週――ジェンダー、子どもの権利、HIV/エイズ
- ジェンダー、文化、開発
- 児童労働と人権
- HIV/エイズとその開発への影響
第3週――文化と開発
- 開発における文化と宗教の問題
- 開発の新たな選択肢の環境社会学的展望
- 文化と社会運動
第4週――プロジェクトサイクル
- 事例研究
- プロジェクトサイクルの分析
- プロジェクト失敗の原因
第5週――援助、貿易、開発
- 貿易と開発
- 途上国と世界の貿易システム
- 援助と国際協力
第6週――ガバナンスと開発の政治学
- ガバナンスと開発援助
- 民主化と開発の政治学
- 国際関係と開発
講師陣
国連大学学術職員および世界各地の学術機関、国際機関、日本の開発協力関連機関から招く講師が担当。
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