国連大学グローバル・セミナー沖縄セッションは今年で第3回目を迎えます。第1回目には環境問題を、第2回目はジェンダーを取り上げ、熱心な議論が展開されました。今回のセミナーはグローバリゼーションと文化の問題を中心にプログラムを組みました。
21世紀に入り、地球化現象は単に経済のみならず、人間活動のあらゆる側面にまで及んでいます。1980年代終わりに冷戦の終焉を迎えて、国際政治の状況は大きく変容し、世界規模での人々の交流はかってない程盛んとなり、私たちは情報科学技術の驚異的な進歩によって、地球の裏側で起こった出来事でも、瞬時に知る事が出来るようになりました。インターネットの普及は、個人の発信能力を飛躍的に増大させてきました。地球は狭くなったと良く言われますが、時間と空間の圧縮を地球化と呼ぶ事が出来るでしょう。
このような地球化はこれからも加速される過程であり、その流れから孤立することは不可能であると思われます。人間活動の地球化は、従来の社会が持っていた価値観、人間関係、仕事のやり方にも強い影響を及ぼしています。言い換えれば、固有の伝統、文化は地球化の潮流の中でお互いに受容し合い、反発し合い、新しいものを生み出しています。それぞれの文化の持つ影響力には当然ながら、大きな格差が見られ、固有の文化が他の文化に吸収され、消滅してしまうのではないか、との危惧の念も聞かれます。果たして、グローバルな文化への収斂ということがあるのでしょうか、そしてそれは望ましいことでしょうか。
ユネスコは「開発と文化に関する世界委員会」の報告書を1995年に公表し、文化の多様性こそ大切である、とのメッセージを強調しています。また、国連は、2001年を「国連文明間の対話年」と指定し、さまざまな文明と文明との対話の重要性に注意を喚起しています。それは、近年世界各地で民族や文化を異にすることから紛争が頻発していることを憂慮しているからです。自己の文化的アイデンティティを守りながら、他人のそれに敬意をはらうといった態度が求められています。地球化するということは、個々人の接触がより密になるということでもあり、寛容、思いやり、生命の尊重といった人類共通の価値観と倫理を育成するということは、地球化がもたらすであろう、数々の欠陥−例えば貧富の格差の増大−を克服するためには不可欠と言えるでしょう。
今回のセミナーにおいては、このような問題意識に基づき、地球化の文化に対するインパクトを、アジアを中心に考え、さらに、沖縄をはじめ島嶼文化の発展の可能性についても検討する予定です。地球化も文化も人類の直面する大きな問題であると同時に、極めて個人的な問題でもあります。このセミナーに参加し、内外からの著名な講師の皆さんと議論し、思いを巡らす機会にしたいものです。
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