科学技術

 科学技術の発展は、地球上の増加し続ける人口とそれに伴う人類の多様な活動を維持するために必要不可欠なものである。どうすれば人類の活動をより効率的で、環境に優しく、また人類全体の生活向上に結び付くものにすることができるか、という問題に対し、科学技術は回答を提供するものと期待されている。この分野の国連大学の活動には、最新の科学技術の普及に関する研究と、基礎分野や応用面での研究という二つの側面がある。

 研究活動は次の六つのプログラムに分かれている。

各国における技術革新と科学・技術研究機関の国家的システム

このプログラムでは、途上国における科学技術の制度的枠組みと、特にそれが生産・サービス部門の革新に対して持つ関係に焦点を当てている。このプログラムの活動は、マーストリヒトのUNU/INTECHを中心に行われている。

途上国向けコンピューターソフト技術

このプログラムでは、途上国との共同研究や技術開発プロジェクトを組織するとともに、大学院レベルを対象としたソフトウエアの技術研修やコンピューター科学研修を提供することにより、途上国における高度なソフト技術に関する知識を高めることに重点を置いている。研究活動は、途上国のソフト技術のニーズへの対応を専門とする研究・研修センターである、マカオのUNU/IISTが実施している。

バイオテクノロジーの開発への応用

これは途上国での人間および動物用ワクチンの開発、植物の遺伝子組替えおよび産業用微生物など、バイオテクノロジーの利用可能性の研究を目的としたもので、地域を重視した一連の活動から構成されている。国連大学中南米バイオ技術プログラム(UNU/BIOLAC)がこの研究活動を実施している。

マイクロプロセサーと情報学

技術の変化があまりに急激なため、開発途上の国々はマイクロエレクトロニクス革命の恩恵から締め出されてしまうことが危惧されている。このプログラムの中心課題は、情報科学技術(情報の生産・処理・活用方法)に関するものである。世界各国の地域研修ワークショップを通じて、マイクロプロセサー技術に関する大学院研修を提供している。これらの研修活動の調整は主に、イタリア・トリエステの国際理論物理学センターで行われている。

食糧と栄養

世界の各地で見られる飢餓と低下するモラルは、現代における大きな倫理上の問題とも言える。このプログラムにおける研究は、国連大学が長期的に取り組んできた途上国における食糧・栄養および保健上の諸問題についての研究活動の一環であり、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(ユニセフ)、および国連食糧農業機関(FAO)の協力を得て実施されている。

科学技術

国連大学では教育や通信のための情報技術の応用の研究を進めている。この作業を担当しているのはUNU/IASである。
 

各国における技術革新と科学・技術機関の国家的システム

 UNU/INTECHのプロジェクト「急激に変化する世界における南部共同市場の産業革新システム」は、南部共同市場(メルコスル)に属するアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ4ヵ国の産業技術政策と制度を分析し、評価するものである。この分析は国内、国際の両方の視点から行われており、プロジェクトに協力している研究者は、メルコスル諸国がより効率的な産業技術政策を実施するための、プログラムやプロジェクトを提案している。

 UNU/INTECHのプロジェクト「中国における高度技術研究機関と新企業組織の発達」は1997年に完了した。このプロジェクトは市場改革の期間中に途上国の技術革新システムがどう変化するのか、その主要な各種の側面を検討している。中国が特異な例として取り上げられている。

 このプロジェクトの成果は『市場に適応する:中国の産業技術研究機関の変容』と題する報告書にまとめられ、出版される予定である。プロジェクトの成果は、UNU/INTECHが今後、途上国の技術政策のための国家的な技術革新システムについての研究を進める上で、有益な資料となる。成果の一部はすでに公表されており、多くの関連研究機関に配布されている。

 UNU/INTECHのプロジェクト「欧州の低発展地域における国家的技術革新システム」は、欧州でも発展の遅れている地域での技術の開発、特に工業化における技術政策の役割を重視しながら研究している。プロジェクトの第1段階は1997年に完了し、ギリシャ、ポルトガル、スペインで行われた研究・技術能力の検討報告が作成された。UNU/INTECHの作業は欧州でも特に産業面で発展の遅れている地域を重点に、それらの地域と途上国との間の技術政策と技術革新システムの妥当性を比較し、類似点や相違点を見出そうとする企画である。

 このプロジェクトの第1段階を締めくくる国際会議が10月にスペイン・セビリアで開催され、18の研究報告書が提出された。関係各国の政府、国際機関、学界から65人が出席、技術政策、経済および技術の発展に関連する諸問題を討議した。報告書『技術政策と地域統合』が1998年中に出版される予定。
 

途上国のためのコンピューターソフト技術

 国連大学のコンピューターソフト技術プログラムでは、高度なソフト技術についての途上国の知識向上を目的とし、先進工業国が開発した技術だけに依存する状態からの脱却を目指している。国連大学国際ソフトウエア技術研究所(UNU/IIST)は1997年に11の研究プロジェクトを実施した。成果の一部として27の報告書が出版され、いくつかのプロトタイプが作成された。

 リアルタイム・ハイブリッド・システムは、今日のコンピューター制御の機械装置に重要な役割を果たしている。これらはエレベーター、産業ロボット、組立てラインなどの装置に不可欠である。これらのシステムは特定のリアルタイムの制約の下でコマンドに反応するもので、システムの安全性と信頼性が極めて重要である。

 UNU/IISTのプロジェクト「反応性リアルタイム・ハイブリッド・システム設計技術」は、これらのシステムの設計方法の改善について研究開発を行っている。その研究上のアプローチは期間計算法(DC)で、これは時間のインターバルを処理する一種のロジックで、UNU/IISTが先駆者として認められている分野である。

 1997年中の主要な成果としては下記の三点が挙げられる。


 電気通信のソフト技術開発研究に関するプロジェクト「電気通信システムの設計計算法と研究」は研究の成果に基づく下記の技術報告書を1997年に発表した。

 UNU/IISTの「財務省情報技術」プロジェクトでは、ベトナム政府財務省と共同で財務情報システムの開発を進めている。このプロジェクトでは、ベトナムの予算計画立案から資金配分の管理、租税政策の検討、およびベトナムの各省庁間のデータ交流システムの開発などが対象となっている。これまでの作業では、租税制度の領域を分析し、それに基づいて税制を改めることに主眼が置かれた。このプロジェクトに加わっている研究者はさらに、最適のセキュリティーおよび課税政策も検討している。簡素な会計システムのプロトタイプも作成された。

 このプロジェクトの第二段階として、財務、予算制度、さらに外部の支援や監査を必要とする制度についても、研究が進められている。この作業では、個別に独立した階層的なシステムを、ゆるやかに組み合わされた水平的な分散システムに改め、それらの間を通信で結ぶ方法が検討されている。このプロジェクトは世界銀行からの資金拠出を要請している。

 「製造産業情報コマンド・システム」プロジェクトでは、製造業に関連する諸問題の研究が進められている。このプロジェクトの目標は、情報技術をどのように応用すれば、途上国の製造業界の発展を最大限に支援し、製造業が市場需要の変化に迅速にかつ有利に対応できるかを、検討することである。プロジェクトでは企業のすべての活動、すなわち販売、経営管理、資金調達、生産などを表わす数学的モデルの作成を主眼にしている。モデルには供給チェーンや製品も含まれる。これらはすべて、情報・コマンドのインフラを持つソフトウエアを、体系的に開発するための前提条件である。

 研究者は1997年中に市場分析のモデルの作成を集中的に行った。研究者は二つのモデル、すなわち統合と競争のモデルを組み合わせ、それに基づいて企業にとっての最善のマーケッティング・ミックス(製品、価格、場所、販売促進活動)を選択する、最適化問題についての公式を発見した。仮想(バーチャル)企業のコンセプトについての作業も続けられている。

 UNU/IISTの「多言語スクリプト・システム」プロジェクトは、多言語文書の作成、編集をサポートするソフトウエア・システムの設計、原型作成の作業を続けている。特に重点を置いているのは、文書中の各スクリプトの自然な読み書きの流れを守ることである。たとえば、一つの文書に英語とモンゴル語の文章がある場合、英語は左から右へ横書きされ、モンゴル語の文章は左から右へ縦書きされる。このプロジェクトの主な目的は、図書館、大学、政府機関などで、書き方向の違う、異なる言語で書かれた文書類を検索(ブラウジング)できるような、ソフト技術の原型を作成することである。

 同プロジェクトの第一段階は1997年で終わり、多くの多言語文書の総合的な研究が完了した。また多言語文書をサポートするソフトウエアのための要件も作成された。

 プロジェクトの第二段階の作業も継続されている。これまでに作成された形式的モデルを拡大し、多方向、多言語の文書の作成、編集、印刷方式を決める各種の機能を備えるようになっている。

 UNU/IISTは1997年にシンガポールで開催された国際標準化機関の会議に、報告書を提出した。これはモンゴル文字の文章の記号化基準を検討中の作業グループが、記号化方式の中で大きな誤りを冒していることを指摘したものである。
 
 
 

 
『市場開拓上の意志決定に応用される、競争企業のための形式的モデル』

 競合する製造業のために応用領域をモデル化・分析する実験が行われている。その結果として、従来は別々であった二つのマーケティング・モデルを統合した、ユニークな形式的モデルが生まれた。特に製品、価格、場所、販売促進活動などを含む、マーケティング・ミックスが作成され、それが企業の販売に及ぼす効果が明らかになった。このモデルはマーケティングのない市場、制約のないマーケティング、有限のリソースの下でのマーケティングという3段階で構築されている。われわれは一つの市場で競合する二つの企業(お互いに競争する場合と協力する場合)の抽象化を含む分析を行っている。

UNU/IIST技術報告書No.92から抜粋
『市場開拓上の意志決定に応用される、競争企業のための形式的モデル』
トーマス・ヤノウスキおよびルメル・アティエンザ

バイオテクノロジーの開発への応用

 国連大学本部のバイオ技術プログラムは、ヒトや動植物の保健に関する緊急な課題と取り組んでいる。国連大学本部の学術部門は各種のプロジェクトを調整、ベネズエラ・カラカスの国連大学中南米バイオ技術プログラム(UNU/BIOLAC)を通じて全体を統括している。

 「ブルセラ症研究ネットワーク」プロジェクトは、ブルセラ症(家畜や未殺菌の乳製品から伝染する熱病)用ワクチンの開発と、この疾患の研究に携わるラテンアメリカの研究者の研修と研究者間の交流を図ることを目的としている。この研究では複数の研究センター間を調整する取り組み方法が採られており、研究成果がネットワークに参加する研究者の間で自由にやり取りされている。さらに情報交換を行うために毎年、輪番制によってそれぞれの研究センターでワークショップが開催されている。1997年のワークショップはペルーで開催され、10ヵ国から24人の研究者が参加した。

 「ブルセラ症の疫学、診断、ワクチンの理論的および実際的側面」についての2週間の研修コースも、1月にチリで開かれた。ここではブルセラ症の病原体を検出する方法を探究した。コースには20人が参加した。

 結核はかつて撲滅されたものと考えられていたが、世界各地の発病が報告されている。国連大学の「結核研究ネットワーク」プロジェクトでは、この緊急課題に対処するため、より適切な診断方法とより効果的なワクチンの研究開発にあたっている。同プロジェクトは毎年1回、ネットワーク参加者を対象とした研究成果・情報交換ワークショップを開催している。1997年のワークショップはキューバで開催され、33人の参加者が並列して開かれた「結核に関するラテンアメリカ・シンポジウム」にも参加した。

 国連大学は1997年にラテンアメリカから若手の研究者18人に3ヵ月から8ヵ月の研修の機会を提供した。また特別の協定に基づいて、3人のラテンアメリカ研究者が欧州と米国で研修を受けた。彼らが受けた特別研修はブルセラ症の免疫に関する最新技術を中心としたものであった。

 また1997年には、ラテンアメリカの主要なバイオ技術研究所の協力で、2週間の研修コースが6回開催された。これらのコースでは分子生物学を重点とし、176人の若い研究者が参加した。
 

マイクロプロセサーと情報学

 1997年には、以下のマイクロプロセサー、情報学関連の研修コースが、国連大学と国際理論物理学センター(ICTP、イタリア・トリエステ)合同プロジェクト「マイクロエレクトロニクスおよび関連分野」の下で実施された。

 プロジェクト「情報学における研究と高度な教育」は、カメルーンのヤウンデ大学で以下の2週間の研修コースを実施した。  このほか、ヤウンデ大学専門家による地理情報システム関連の2週間の研修コースがアフリカのフランス語圏諸国で、計4回実施された。
 

食糧と栄養

 国連大学の「食糧と栄養」プログラムでは、主に途上国の食糧・栄養問題を解決するための研究を行っており、1997年中には四つの地球規模の主要プロジェクトのほか、多くの小規模プロジェクトを実施した。高度研修のための15のフェローシップを提供し、季刊の専門誌『食糧・栄養報告』および『食糧の構成と分析報告』を刊行した。同プログラムは最近、国連大学本部が調整する活動としてのボストンの本拠を、コーネル大学に新設される国連大学研究研修調整センター(RTCC)に移すことになり、それにともなって研究活動と今後の方針を再検討して行くことになる。新しいRTCCは「国際栄養行動知識センター」(CINAK)と呼ばれる。

 プロジェクト「国際食糧データネットワーク(INFOODS)」は、世界各国を地域毎の食糧構成データベースからなる地球規模のネットワークに組み込むという目標をほぼ達成した。標準的な標識名システムにより、食糧の構成についてのデータが電子メールで世界中で交換できるようになっている。食糧構成データベースは1997年に中米、中国、中央アジア、東南アジア、西太平洋の各地域で完成された。

 国連大学のプロジェクト「微量栄養分欠乏症の克服」では、鉄分欠乏症の抑制に大きな効果を上げた。ボリビア、中国、グアテマラ、インドネシア、マレーシア、米国などの女性や子供で構成されるテスト・グループの鉄分補給についての調査も完了した。国連大学は3月、これらの調査結果を国連行政調整委員会の栄養に関する小委員会に報告した。それによると、十分に処方が守られ、適切な投与が行われた場合、毎日投与と毎週投与のいずれの場合も、2、3ヵ月後のヘモグロビンのレベルは同じであった(ただし、マラリアなどの複合的な要素がない場合)。これによって同じ効果でも費用の安い毎週投与を行うべきであることが分かった。これらの調査結果に基づく栄養補給プロジェクトはすでに中央アジア、中国、インドネシア、エクアドルで実施されている。

 国連大学は3月にインドの中央食糧技術研究所とインド政府食糧省の協力で、「伝統的食品に関する国際会議」を開催した。アジア、アフリカ、欧州各国から50人の専門家の参加を得て開かれた会議の目的は、途上国住民のほとんどが摂取している伝統的な食品についての、科学的研究を促進することである。会議ではさらに研究結果の交流のため、それらのネットワークを作ることが検討された。国連大学は国際栄養科学連盟(IUNS)の協力を得て、カロリー摂取量国際諮問グループ(IDECG)を支援している。『子宮内成長の遅滞の原因と結果』と題する1996年ワークショップ報告書がThe European Journal of Clinical Nutrition(欧州臨床栄養学ジャーナル)の付録として発行され、IDECG研究論文として再刊されることになった。1997年IDECGワークショップ「エネルギー摂取の適応の下限と上限およびその主要な基層:炭水化物と脂質」は12月にローマのFAOで開かれた。
 
 

 
マラウィ児童の栄養不良と食事習慣

 1992年マラウィ人口保健調査のデータと多重レベルのモデルによって、母乳養育の習慣、社会経済的および罹病率変数、5歳以下の児童の栄養状態などの間の関連が評価された。マラウィの5歳以下の児童の約27%は体重が不足し、50%近くが発育不良だった。この調査結果は社会経済的要因、罹病率、不十分な食事慣行が、マラウィの栄養不良を引き起こしている要因であることを示している。社会的、経済的に高い水準の人々は栄養状態もよく、調査前の2週間以内の罹病率は年齢重量Zスコアが低いほど高かった。母乳養育はどこでも行われており、約21ヵ月続いている。しかし乳児食はもっと早くから始まっている。マラウィの生後4ヵ月未満の乳児のうち、母乳のみで育てられているのは3%に過ぎなかった。この調査の時点で母乳養育を受けていた12ヵ月以上の乳児は、もっと早くやめた乳児より栄養状態が悪かった。この分析はまた、年齢重量Zスコアの家族内の相関関係が深いことを示していた。スコアは約39%であった。

国連大学『食糧・栄養報告』第18巻2号からの抜粋


 

科学技術

 国連大学はUNU/IASを実施機関として、「汎用ネットワーク言語(UNL)」と「未来のための知識システム:21世紀のバーチャル大学に向けて」という二つの科学技術プロジェクトを進めている。

 UNLプロジェクトの研究者は、インターネット上でソフトウエアとエンコンバーター、デコンバーターの組み合わせを使い、国連加盟国の各種の言語の文書をUNLに変換し、あるいはUNLを他の言語に解読する研究を行っている。

 インターネットの主要なリソース、すなわちソフトウエアだけでなく、ディレクトリーや情報ライブラリーは、ほとんどが英語で表記されている。またEメール、ニュースグループ、その他のテキスト領域も、普通はローマ字に限られている。インターネットは地球上のどこでも使えるが、その豊富な情報は英語を理解する人々にしか使えない。インターネットを多言語で使い、世界のすべての言語の文字が相互に変換できるようにならないと、インターネットは本当の世界的な意志疎通の媒体とは言えない。

 いま市場に出ている翻訳ソフトのほとんどは、たとえば中国語からロシア語というように、一つの言語を他の言語に翻訳するものである。UNU/IASのUNLプロジェクトはさらに一歩を進めて、本当に多言語のソフトウエアを設計し、それによって日本語の文章の中にアラビア文字の文章を引用し、パリやモスクワのパソコン上で自由にディスプレイできるようにすることを目指している。

 UNLは多言語変換と呼ばれる2段階のプロセスに基づいている。第1段階では、装置がテキストの文章構造と言葉の意味を完全に分析し、可能な場合には筆者との対話を通じて明確にする。第2段階では、テキストが中間的な、抽象的UNL言語に変換される。UNLは数十万の汎用ワード(UW)と記号から成っている。変換されたUNLテキストはインターネット上に提供され、それを各種の言語に翻訳する。

 UNU/IASはプロトタイプ・ソフトを開発しており、17の大学、研究機関のネットワークが13の言語の特殊な構成要素を開発している。このプロジェクトに加わっているコンピューター、言語関係の研究者は約100人に上る。

 「未来のための知識システム:21世紀のバーチャル大学に向けて」プロジェクトの研究者は1997年に二つの主要な成果を達成した。一つは500人以上のインターネット・ユーザーが、UNU/IASのアジアの高等教育の未来に関する集団討議に参加したことである。参加者は高等教育をめぐる各種の問題、たとえばアクセス、能力育成、国際協力、生涯学習を改善する方法等について意見を述べた。この討議の結果は7月に国連大学で開催されたアジア太平洋地域高等教育会議「21世紀に向けた高等教育の国家的戦略と地域協力」に提出された。

 もう一つの成果は、UNU/IASの研究者が上記のユネスコ会議に寄与したことである。ここで討議された主なテーマの一つは技術とバーチャル・キャンパスの役割である。それをさらに解明するため、UNU/IASは慶応義塾大学の協力を得て、出席者のためにビデオ会議を実施し、東京にいるパネリストに加えて、世界各地のパネリストが技術に関連するさまざまな問題を討議した。





1997 Annual Report