国連大学の優先課題:
緊急かつ世界的な問題の解決策を求めて−概論



 1997年は国連大学(UNU)の学術活動の22年目にあたる年であった。国連大学は過去20年間、革新的な研究構想や能力育成プログラムを展開し、そうした研究成果の普及活動を通じて、国際的な学術協力の促進に重要な役割を果たしてきた。国連大学は12月1日から5日まで東京で第43回理事会を開催した。理事会では主として、1997年中の学術活動の検討、1998-1999年の学術プログラムと予算、学長が作成した大学に関する評価報告書の3点について、重点的に審議が進められた。1997年の大学の活動の枠組みは第三次中期展望(MTP-III)である。この第三次中期展望は1997年から2001年までの5年間の国連大学の学術面および行政面の活動の枠組みを定めている。この中期展望では、国連大学が次の四つの活動領域において、緊急な地球規模の課題に取り組むことを求めている。


 この年次報告には三つの目的がある。第一は上記の4活動領域における国連大学のグローバルな活動の概略を示すこと、第二は大学院レベルの研修、研究成果の普及活動を説明し、そして第三は、世界各地で活動を展開する場合の、国連大学と国連機関との緊密な協力関係を明らかにすることである。

 この報告はこれまで同様、国連大学の1997年度のすべての学術活動を網羅的に報告するものではない。この報告ではむしろ、国連大学の主要な構想や研究領域に焦点を当て、東京の国連大学本部と以下に示す世界各地の8ヵ所の研究・研修センター、プログラムからなるネットワークを通じて調整・実施されてきた活動を、簡潔に説明したものである。


 世界各国の多くの学術機関が国連大学と共同研究や各種の協力を進めており、これらの機関については個々の活動領域の報告の中で説明した。





1997 Annual Report