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| | 1998年12月 |
UNU Nexions 書評
国連大学は多くの出版物をそのホームページからダウンロードできる措置を取っており、すでにマルチメディアの時代に入ったと言える。一方、国連大学出版局は今年末に「Collection on Critical Global Issues」と題するCD-ROMを発行した。これには環境、開発、栄養問題など、137の出版物の全文が収められている。(英語版のみ、15,000円)
国連大学出版局はこのCD-ROMを途上国の研究機関、大学、研究者等に無料で配布している。
「地域の経済開発:農村社会における構造改革の地域的比較」
(Local Economic Development: A Geographical Comparison of Rural Community Restructuring )
セシリー・ニール、マルック・ティキライネン共編、国連大学出版局、英文、368ページ、3,740円
どの国や市町村でも急速な社会、経済の変化にともなって、構造改革の必要に迫られている。本書は特に1990年代における農村社会の構造改革のプロセスを追い、その特徴を調査したものである。
ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、ロシア、スウェーデン、フィンランド、アイルランド、米国、ベトナム、オーストラリアなどのケーススタディを通じて、伝統的、あるいは近代的なコミュニティ、さらにポスト工業化社会や複数のコミュニティに及ぶ構造改革の試みが検証されている。
筆者等は地域の開発政策は地域の実情をよく反映し、ダイナミックなものであるべきで、経済的、社会的に持続可能なソリューションを重点とすべきであることを説いている。
「グローバル化と大都市の世界」
(Globalization and the World of Large Cities)
羅福全、楊汝満共編、国連大学出版局、英文、530ページ、5,240円
本書はグローバル化に関連する主要なテーマを通じて世界の都市の未来を分析した本で、都市回廊、イスラム都市、新技術、輸送と電気通信、金融センター、食糧問題などのテーマが取り上げられている。「世界都市」がグローバル経済の中でどのようなプロセスを経て、その機能を果たすようになったかも検証されている。
本書は国連大学が主催した、メガシティーを中心とする一連の地域研究プロジェクトの成果に基づいたもので、学者と都市計画専門家の双方に有益な資料となっている。
「民主主義の変貌」
(The Changing Nature of Democracy)
猪口孝、エドワード・ニューマン、ジョン・キーン共編、国連大学出版局、英文、296ページ、3,740円
民主主義はグローバル化の波の中で、個人と集団の希望を満たし、健全な市民社会を育成するために、不可欠な制度として期待されてきた。しかし、民主化への前進に対する抵抗も強く、民主主義とはいったい何なのか、それはどうあるべきか、についてのコンセンサスもまだ出来上がっていないのが現状である。
本書に集められた論文は民主主義に関する多様なテーマを取り上げており、国家の枠組みを超えて、民主主義をどう活用すべきか、幅広い論議を展開している。本書はこの世界的な動きの限界と緊張を浮き彫りにしたものと言える。
「ハザードのるつぼ:変貌するメガシティーと災害」
(Crucibles of Hazard: Mega-Cities and Disasters in Transition)
ジェームズ・K・ミッチェル編、国連大学出版局、英文、450ページ、5,240円
地震や台風、洪水、火災などの災害に繰り返し見舞われた大都市、たとえば東京、メキシコ市、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどは、いずれも壊滅的な打撃を受けたことが一般に知られ、科学史にその名をとどめている。さらにダッカ、マイアミ、ロンドン、コマ、ソウル、シドニーなどの都市も、同じような運命に見舞われる危険を持っている。
本書は世界の大都市のうちの上記10都市の、環境的な危険性についての共同研究をまとめたもので、過去の災害経験と将来の脅威について述べている。編者は結論として、大都市の災害の危険度は各都市の爆発的な成長の速度以上に増大している、と警告する。大都市圏では新たな危険が集積され、それと重なって自然、技術、生物、社会に関連する危険が増幅されており、こうした危険にさらされる人間と地域は増える一方である。
本書はできるだけ早く実施すべき公共政策と災害管理の改革を重点的に述べ、都市を持続的に発展させるために解決しなければならない、安全の問題を強く訴えている。
「国連平和維持活動:フランスの政策についての指針」
(United Nations Peace-keeping Operations: A Guide to French Policies)
ブリジット・スターン編、国連大学出版局、英文、146ページ、1,490円
本書は法律学者や政治学者による、フランスの国連平和維持活動についての、多様な視点からの分析を集めたものである。
憲法問題やフランスの海外活動に対する議会の支配力などが、特に注目されるテーマである。付録にはこれまでのフランスの海外での平和維持活動、派遣スタッフ、死傷者などの記録がまとめられている。
国連大学出版局、中国の図書館に11,000冊の書籍を寄贈
中国の北京から無錫に至る100以上の主要な図書館にこのほど、国連大学出版局から多数の書籍が寄贈された。
日本財団が輸送費36,000ドルを負担、国連大学出版局の香港にある倉庫から約100点の書籍114セットが、中国各地の図書館に発送された。
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