国連大学、ユネスコなど国際的教育・学術機関が
学校教育への環境重視型カリキュラム導入を提唱
「ウブントゥ宣言」が持続可能な開発のためのグローバルな教育共同体を呼びかけ
世界の11の主要教育・学術機関、科学アカデミーなどが、持続可能な開発に関する世界サミット会期中の先週、宣言を発表し、初等教育からのあらゆる教育レベルで、持続可能な開発に重点を置いたカリキュラム導入の必要性を提唱しました。
この「ウブントゥ宣言」は、持続可能な開発の目標達成のためには、グローバルな規模で教育をさらに重視することが不可欠だとした上で、世界中の教育制度を通じて科学技術教育を促進するためのグローバルな共同体結成を呼びかけます。
宣言はヨハネスブルクでの持続可能な開発に関する世界サミットで、以下の機関が発表したものです。
- 国際連合大学(UNU)
- 国連教育科学文化機関(ユネスコ)
- 国際大学協会(IAU)
- 第三世界科学アカデミー(TWAS)
- アフリカ科学アカデミー(AAS)
- アジア学術会議(SCA)
- 国際科学会議(ICSU)
- 世界工学機関連盟(WFEO)
- コペルニクス・キャンパス(Copernicus-Campus)
- 持続可能性パートナーシップのための世界高等教育(GHESP)
- 持続可能な未来のための大学リーダー(ULSF)
この取組みは以下を目標としています。
- カリキュラム開発
- 南北のネットワーク作り
- 戦略的な教育計画・政策の立案
- 科学研究・学習能力の育成
国際大学協会会長でもあるハンス・ファン・ヒンケル国連大学学長は、「政策立案者、教育者、専門家、および国際的な科学アカデミー・高等教育機関の研究者を含む共同体を目指し、さらに多くのメンバー機関の参加が求められています」と語りました。
「持続可能な開発のための教育は一朝一夕では成し得ません。教育には、就職前の訓練をはるかに越えた意味があります。初等教育から高等教育まで、すべての学生に持続可能な開発へ向けた必要性を認識させ、職場においても、日常の生活習慣においても、その原則と価値観を尊重させるためには、あらゆる教育レベル・部門のカリキュラムに持続可能な開発を取り入れる必要があります」とファン・ヒンケル学長は強調します。
ユネスコのウォルター・エルデレン自然科学局局長によれば、この共同体はまた、各国の教育担当省庁が学校のプログラムを再評価し、これを持続可能な開発と関連づけるとともに、教員への適切な訓練と再訓練を併せて実施することも求めています。同氏はまた「この取り組みは、経済成長と開発、保全と環境保護との間の緊張状態を緩和するという緊急な必要性に応える一助となるでしょう。教育基盤、特に科学技術の基盤を拡大することは、国家間の不公平を是正するためにも不可欠です」と語っています。
宣言の発表には、第三世界科学アカデミーのモハメド・ハッサン所長、国際工学機関連盟の次期会長に選出されたダト・リー・イー・チョン氏、国際科学会議のトーマス・ロスウォール会長、および「持続可能な未来のための大学リーダー」のリチャード・クラグストン議長も参加しました。
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お問い合わせは国連大学広報部へ。
電話:(03)5467-1243、1246 ファクス:(03)3406-7346
持続可能な開発のための教育と科学・技術に関する
ウブントゥ宣言(仮訳)
持続可能な開発のための統合的な解決を機能させるため、また、教育セクターが持続可能な開発に貢献するように動員させるために、
我々世界の教育・科学関連機関、
国際連合大学(UNU)
国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)
アフリカ科学アカデミー(AAS)
国際科学会議(ICSU)
国際大学協会(IAU)
コペルニクス・キャンパス(Copernicus-Campus)
持続可能性パートナーシップのための世界高等教育 (GHESP)
アジア学術会議 (SCA)
第三世界科学アカデミー (TWAS)
持続可能な未来のための大学リーダー (ULSF)
世界工学機関連盟 (WFEO)
は、持続可能な開発のための科学・技術教育を強化するイニシアチブを求める。
持続可能な開発のための統合された解決は、科学と技術の持続的で効果的な応用に依存すること、また、教育は、持続可能な開発の挑戦に対するアプローチを活気付ける上で重要であることを認識し、
地球憲章が、21世紀において公正かつ持続可能で平和的なグローバル社会を築くための勇気付けられる根本的でバランスの取れた原則及び指針であり、教育の全ての段階と全てのセクターに浸透すべきであることを認め、
科学とは、全ての科学―自然科学、社会科学、人文科学であるということを踏まえ、
世界中の国々の知識格差を緩和する必要性を認識し、持続可能性のための教育の配分に根本的な均衡を取り戻す必要性があることを認識し、
全ての形態の教育の最終的な目標というのは、人々が変化をもたらすことができるように知識・技能・価値基準を与えることであることを認め、
教育が、持続可能な開発を達成するための手段として活用されていないことを懸念し、
持続可能な開発を達成するために教育が果たす必要不可欠な役割と、アジェンダ21の第36章に述べられている持続可能性のために科学と技術を動員する上での教育の重要な役割を再確認し、
2001年10月10日の持続可能な開発のための高等教育に関するリュ−ネブルク宣言、そしてその宣言が持続可能な開発の決定的な挑戦に対処するに当たり、全ての教育に情報を与え、サポートしている高等教育の必要不可欠な役割を強調してしていることを想起し、
国際科学会議、第三世界科学アカデミー、世界工学機関連盟に代表される科学・技術のコミュニティーが、WSSDのプロセスにおいて持続可能な開発のための科学・技術と社会との間の新しい社会的な契約を要求したことを認識し、
ミレニアム宣言、モンテレイ合意、ドーハ開発宣言に含まれた目標に向かって努力することを決意する。
WSSDの参加各国政府に対して、また、サミット後のアジェンダに対して、次のことを求める。
WSSD のプロセスにおいて、教育者を第10番目の利害関係グループとして指定すること。
教育者、政府及び全ての関連する利害関係者に、以下のことを求める。
次の点に焦点を当て、持続可能な開発の挑戦と機会により良く対処するために、学校や大学のプログラムやカリキュラムを見直すこと。
- 地元・地域・国レベルで計画を立てる。
- 技能、知識、考察、倫理、価値基準を一緒にバランス良く備えた学習モジュールを作る。
- 教育サイクルの早期段階において問題解決の統合的で非手段的なアプローチ
- 教育学的アプローチとして及び科学研究の機能としての高等教育における問題解決型の科学的研究。
初等・中等・高等教育を更に強化するため、そして、初等教育に全ての人がアクセスできるようにするミレニアム開発目標を達成するために、若者が教職に惹きつけられるようにする努力を促進する。先進国において今後直面する主な挑戦は、定年に達したり、他の職業に就くことによって生じる経験豊富な教員の大きな流出を埋合わせることである。
持続可能な開発に関連のある科学・技術の知識の主な進歩について継続的に教員に知らせ、プログラムを更新するメカニズムを開発する。
知識の格差及び不平等を緩和するプロセスを加速するために、革新的な手法での知識の移転を促進する。これは、教員、学校、研究・教育機関及び政府が、共に負う責任である。
これらの挑戦と目的を達成するために、我々は、世界中の全ての段階、全てのセクターの教育機関の間の協力と交流を促進するための、教育と持続可能性に関する新しいグローバルな学習空間のために努力することを決意している。この空間は、大学、専門学校、中等教育機関、初等教育機関を糾合した機関の国際的ネットワークと地域のセンター・オブ・エクセレンスの設立に基いて開発されなければならない。我々は、他の責任を持って協力できる利害関係者全てが、この試みに参加することを歓迎する。
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