2002年8月28日
UNU/J33/02
 
 

 

国連大学報告、国際的ガバナンス制度のシステム全体的評価を呼びかけ


 国連大学高等研究所は『国際的持続可能な開発のガバナンス―改革問題:主要課題と提言』(International Sustainable Development Governance - The Question of Reform: Key Issues and Proposals) と題する新たな報告書を発表しました。国際協力と持続可能な開発への制度的対応が急速な成長を遂げる中で、具体的な前進のペースは相変わらず遅い。この報告書は、国際ガバナンス(統治)制度の変革、および、制度間の調整の改善が、環境の質的向上と開発の促進にどのように貢献できるかを検討しています。既存のガバナンスシステムの改革に関するこれまでの提案と試みが慎重に評価されるのはこれが初めてのことです。

 南アフリカのヨハネスブルクで開かれている「持続可能な開発に関する世界サミット」(WSSD)に数千人が集まる中で、この報告書は、そこでの討議に取り入れられるべきガバナンスに関する具体的な政策提言を提示しています。ガバナンスは、持続可能な開発のための実効的政策において鍵を握る要素です。自然環境を保護、保全するためには、環境問題と、これを引き起こす可能性が高い根本的な経済・社会問題とのつながりを、あらゆるレベルの制度によりよく反映することが不可欠です。WSSDの成功は、制度的取り極めの慎重な検討にかかっています。

報告書『国際的持続可能な開発のガバナンス』は、世界規模の学者の中核的グループによる共同の努力と研究の集大成であり、この集団的作業の焦点は、現在の国際的環境保全システムにおける欠点と弱点を明らかにし、現行システムの強化をねらいとする具体的提言を評価することにあります。

報告書にも寄稿している高等研究所のブラドニー・チェンバース・シニア・プログラム・コーディネーターは「制度的改革は長い間、環境を改善し、開発を促進する方策として議論されてきました。しかし、気候変動(気候変動に関する政府間パネル (IPCC) など)あるいはその他の生態系に関する評価が政府間交渉の前に実施されているのと同様な形で、システム・レベルでの分析を行う必要があります」と述べています。

 報告書は、今後の国際環境統治の改革にとって中心的な多くの課題を詳しく検討しています。具体的には以下の要素が含まれています。

  • 共通の目標と機能を有する環境条約を結びつける、クラスタリングとも呼ばれる現実主義的アプローチ(生物多様性条約(CBD)と気候変動に関する国連枠組み条約 (FCCC) の関連づけなど)

  • 世界環境機関の創設の可能性を含めた、国際環境統治への集中型および分散型アプローチ双方の長所と弱点

  • 持続可能な開発の経済的、社会的および環境的な柱の均衡を容易にする上で重要と考えられることの多い一定の機関の役割評価

  • 持続可能な開発への資金調達の実効性改善に向けた、異なる環境ガバナンスと経済ガバナンスの間の関連づけを土台とする総合的な政策アプローチ

  • 政府間プロセスへの市民社会の参加権拡大を図る方法、および、最終的な目標を定める上で、これらプロセスへのNGOの関与拡大を主張する人びとへの呼びかけ

    報告書の対象範囲が広くなっていることは、持続可能な開発のための国際的ガバナンス機構の全貌を明らかにしようとする試みの表れです。「実効的改革に必要なのは、このような幅広いビジョンです」とチェンバース・プログラム・コーディネーターは付け加えています。報告書(英文)は下記のウェブサイトからダウンロードできます。
    http://www.ias.unu.edu/binaries/ISDGFinalReport.pdf

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    詳しい情報と報告書の入手については、以下にお問い合わせください。

    国連大学広報部     電話:(03)5467-1243/1246、FAX:(03)3406-7346

    国連大学高等研究所ウェブサイト(http://www.ias.unu.edu)でもご覧になれます。

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