広がる南アジアのヒ素中毒
国連大学がダッカで緊急対策の国際会議
バングラデシュおよびインドの西ベンガル地方では、井戸水によるヒ素中毒の危険が広がり、緊急な対策が求められています。中毒の危険にさらされている人は少なくとも2,800万人、あるいは5,700万人に達すると見られ、その規模は世界中のHIVウィルス感染者の数を超えるとさえ言われています。国連大学は現地のNPOであるアース・アイデンティティ・プロジェクト(EIP)と協力、バングラデシュ議会の支援を得て、7月3日にバングラデシュの首都ダッカで国連機関、専門家、政府機関、関係者による国際会議を開き、対策を協議します。
ハンス・ファン・ヒンケル国連大学学長は「これほどの規模でヒ素中毒の危険が広がったのは歴史上でも前例がない」と言います。地下の岩石に含まれているヒ素が井戸水に溶け出しているのが原因で、最近のバングラデシュでの全国調査で被害の拡大が明らかになりました。ヒ素を含んだ井戸水の安全化対策はさほど難しいものではなく、現地の技術で対応が可能です。しかし、その規模の大きさから、国際的な協力体制による包括的な対策が不可欠であり、危険に接している人々の教育、安全な水の供給、短期的、長期的な衛生対策、ヒ素関連の病気と闘うための栄養水準の改善などが求められています。
ファン・ヒンケル学長は「わたしたちすべてが力を合わせ、明確な目的意識の下に実際的な解決策を取って行けば、必ず具体的な成果が得られるだろう」と述べています。短期的には、すでに中毒に冒されている人々の診断と治療、高いレベルでの政策的措置、現地関係者の協力体制作りなどの努力を担当する政府省庁がリードして行くことが必要です。長期的には医療、金融、技術、科学の各面にわたる国際的なサポートによって、今後増えていく患者に対応していかなければなりません。
会議は「現在のヒ素危機:明日のための戦略」と題し、ダッカのウィンターガーデン・シェラトン・ホテルで開かれます。バングラデシュのムヒウディン・カーン・アラムギル計画相が議長を務める「緊急対策の策定」に関するセッションをはじめ、「省庁と政府間協力」「作業責任の明確化」「意識向上」などをテーマに討議を行い、最後に共同宣言がまとめられる予定です。
この問題に関する報告書(英文)は次のウェブサイトで見ることができます。
http://www.unu.edu/env/water/arsenic/policy-brief.html
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