2001年6月7日
UNU/J17/01
 
 

 

デジタル経済と環境問題について国連大学記者会見
IT時代における環境新国際プロジェクト


国連大学高等研究所は国際プロジェクトチームと協力して、情報技術革命(IT革命)が地球環境にどのような影響を与えているかを調査する国際共同プロジェクト「デジタル経済と環境(Digital Economy and the Environment)」の開始にあたり、6月28日(木)に記者会見を開きます。 プロジェクトは、カーネギーメロン大学、国連大学高等研究所、(株)住友海上リスク総合研究所、東京大学、東京理科大学(50音順)により、国際協力基金日米センターの支援を受け、同日正式に発足し、2年間実施されます。我々は今後数々の活動を通して、皆様にITと環境問題の密接かつ重要な関係に対する理解を深めていただこうと考えておりますが、この記者会見はそれらのスタートとなるものです。

国際共同プロジェクトの趣旨
私たちは毎日、テレビや新聞でIT革命や「ニューエコノミー」という言葉を目にします。ニュースや記事では、IT(情報関連技術)がいかに経済を改善し生活をより便利にするかが報道されています。このようにITが大きな注目を集めるのは、多くのニュース解説者たちが「時代が工業からデジタルへ移りつつある」と指摘するほど、ITがビジネスや社会を変える原動力となっているからです。

一方、IT革命が地球温暖化や化石燃料使用などの環境問題にどのような結果をもたらすかということにはあまり触れられていません。しかしながらITは実際エネルギー問題に様々な影響を与えています。ITの発展により、生産、製造・物流過程の効率化が図られ、多くの企業が生産システムに参加できるようにもなりましたが、一方で経済成長に貢献し化石燃料の使用を増やすような新製品およびサービスの需要を増加させているのも事実なのです。そこで現在この環境とITに注目した「グリーンデジタル社会」の実現こそが将来への重要課題であると言っても過言ではないでしょう。

国際共同プロジェクトで取り組む主なトピック
産業による違い:産業セクターにより、デジタル経済への移行のあり方は異なるのか、また、その違いはエネルギー消費へどのように影響しているのかに焦点を当てます。IT投資(ハードウエア・ソフトウエア)とエネルギー消費の関係性と実際の企業活動を調査します。

物流の変化:電子商取引が、産業活動における物流の変化にどのように影響を与えているのか、その結果、エネルギー消費にどのような違いが出ているのかを調査します。

情報通信インフラと環境インパクト:情報通信インフラが生産され、破棄されるまでの各段階でのエネルギー消費を調査します。
プロジェクトでは、この他にも人々のライフスタイルの変化に伴い、環境にどのような影響がでているかなど、さまざまな切り口で議論していきたいと考えています。

記者会見場所
          日時:2001年6月28日(木)午後3時―4時
          場所:国連大学高等研究所 1F セミナー室(国連大学本部裏側)
          住所:150―8305 東京都渋谷区神宮前5丁目53−67


記者会見プログラム

3:00-3:10 開会挨拶:
A・H・ザクリ 国連大学高等研究所所長
3:10-3:25 IT革命と地球温暖化の関係と共同プロジェクトの組織に関する概要説明:
森俊介 東京理科大学教授、藤本正代 住友海上リスク総合研究所
3:25-3:40 流通システム(eコマースとテレコミューティング)とITインフラの環境負荷と管理に関する概要説明:
エリック・ウィリアムズ 国連大学高等研究所
H・スコット・マシューズ カーネギーメロン大学教授
3:40-4:00 質疑応答

※本記者会見は日本語で実施します。


本記者会見に関する問い合わせ先
          国連大学高等研究所 エリック・ウィリアムズ
          電話(03)5467−1390 / FAX(03)5467−2324
          Eメール:williams@ias.unu.edu
          (受け付けは日本語と英語で行っております)


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その他お問い合わせは国連大学広報部へ:
          電話 (03)5467−1243、−1246 FAX (03)3406―7346




関係資料


  1. アメリカ経済のエネルギー強度(エネルギー消費/GDP)は、1996年から1999年の間に9.7%減少しましたが、あるアナリストたちはその大部分がITによる影響だと述べています。これとは対照的に、日本経済のエネルギー強度は同期間に0.9%増加しました。

  2. ITは効率性と環境負荷に対する企業戦略のツールとしての役割を増加させています。たとえばアメリカのAT&T社は、テレコミューティングや「ペーパーレスオフィス」などの採用により、財務と環境の両方を成功させました。IBMはサプライチェーンマネジメント(SCM)により無駄な生産を減らしました。このプロジェクトでは、さまざまな産業の企業がどのようにITを効率性や環境負荷低減のツールとして使っているのか調査します。

  3. 電子商取引(eコマース)は環境に良いのか?この問に対する予備調査を、国連大学とカーネギーメロン大学が行いました。書籍をeコマースで買う場合と書店で買う場合のケースで、エネルギー消費量、ごみ、大気汚染などを比較しました。現段階の結果では、eコマースは郊外や田舎ではエネルギー消費を減らすが、逆に大都市に住んでいる人の場合は、包装に関するエネルギーの増加分だけ消費が多くなり、eコマースの方がエネルギー消費量が多くなることが分かりました。eコマースはまた、売れない無駄な生産を減らすことにも貢献するかもしれません。

  4. コンピューターや通信設備はその生産において、「隠された」環境負荷を与えています。製造段階における化学物質、エネルギー、廃水などです。最近の調査では、パソコン1台に使うマイクロチップを製造するのに、157kgの化学物質と化石燃料が使われていることが分かりました。

  5. 電気製品の廃棄が最近大きな問題となりつつあります。国連大学の最近の調査では、コンピューターの中古販売やアップグレード使用は、リサイクルよりも環境負荷が約20倍も小さいことがわかりました。この事実にも関わらず、日本やヨーロッパの政策論議はリサイクルに焦点を当てつづけています。

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※なお、記者会見当日、ITと環境問題に関する様々な資料も配布いたします。