国際協定 (Global Accords) に関する専門家会議開催
オゾン層保護条約と気候変動条約間の インターリンケージ (相関)について討議
オゾン層保護条約と気候変動条約間のインターリンケージに関する専門家会議が、11月2-3日、国連環境計画 (UNEP)、国連大学(UNU)、マサチューセッツ工科大学 (MIT) 国際協定プログラム (Global Accords Program) および、「地球圏の持続可能性を追求する国際的な学術協力」(AGS−Alliance for Global Sustainability) の共催で、米国マサチューセッツ州ケンブリッジのMITで開催されました。
本会議では、オゾン層保護条約と気候変動条約間のインターリンケージ、特に、相互調整のとれた条約実施の可能性に焦点が当てられ、相互調整型アプローチの長所と短所、環境問題と解決策、原因と結果の相関性をも広く考慮に入れた条約実施アプローチの重要性について話し合われました。このほか、国レベルでの制度的問題や、両条約の実施を支援するための各資金メカニズムの役割、国連事務総長が報告書『国連再生:改革に向けたプログラム』の中で、問題に対して統合的かつ体系化された取り組みを可能にするツールとして提案している「問題対策アプローチ」について討議されたほか、アジェンダ21のさらなる実施に向けて、リオ・サミット後の10年間を振り返る「リオ+10」へのインプットについても話し合われました。
本会議は、モントリオール議定書策定に際して米国交渉団長として活躍し、『環境外交の攻防』(Ozone Diplomacy)の著者であるリチャード・ベネディック氏、成層圏におけるオゾン層破壊に関する研究でノーベル賞受賞のマリオ・モリーナMIT教授、ラスムス・ラスムソン ハーバード大学客員教授、K・サーマ 元オゾン層保護条約事務局長、多数国間基金(MLF−Multilateral Fund) 事務局のシー・シュー・ラン氏、エディス・ブラウン・ワイス 米ジョージタウン大学教授、東南アジア諸国連合 (ASEAN) 事務局のラマン・レチュマナン博士ほか、条約交渉担当者や学界から多数の参加者を招いて開かれました。
会議では、オゾン層保護条約と気候変動条約間の科学的および政策面でのリンケージに焦点が当てられ、特に、オゾン層保護条約のもとでオゾン層破壊物質(ODS)の代替物として定められた物質が、後に気候変動条約のもとで潜在的な温室効果ガスとして規制の対象として挙げられた問題などについて討議が行われました。
ベネディック氏は、オゾン層保護条約と気候変動条約両方の目的を達成するためには、新技術の研究や開発、普及の促進が不可欠であると述べ、ラスムソン教授は、両条約のもとで設けられた各資金メカニズムが共通の目的を認識し、連携を取ることの重要性を強調しました。また、レチュマナン博士は、条約の効果的な交渉と実施には、途上国における能力開発が不可欠であると強調しました。
本会議は、条約実施における相乗効果を高めるため、今後も、学界と国連機関がインターリンケージや相互調整型の条約実施アプローチの抱える問題点について調査し、模範的アプローチを構築していくことで合意し閉会しました。会議のフォローアップとして、今後、各主催団体は、「リオ+10」に向けた公式な準備プロセスへの種々の活動を展開していく予定です。
(参考資料)
国連大学は、1999年に「インターリンケージ: 多国間環境条約おける相乗効果と調整に関する国際会議」を開催、インターリンケージについての研究プロジェクトを立ち上げました。1999年の会議結果に基づいて、現在、「リオ+10」に向けた3年間のプロジェクトを展開しています。プロジェクトの詳細については、URL: http://www.geic.or.jp/interlinkagesでご覧いただけます。
国連環境計画は、世界銀行、アメリカ航空宇宙局(NASA)と共同で、1998年11月に報告書『我が惑星の保護と安全な未来に向けて:地球環境問題と人的ニーズのリンケージ』(Protecting our Planet Securing our Future: Linkages among Global Environmental Issues and Human Needs)を作成しました。国連環境計画のオゾン層保護条約と気候変動条約間のインターリンケージに関する活動についての詳細は、URL: http://www.uneptie.org/ozonaction.htmlをご参照下さい。
地球圏の持続可能性を追求する国際的な学術協力 (AGS) プログラムは、東京大学、マサチューセッツ工科大学、および、スイス連邦工科大学(ETH)による共同研究プロジェクトです。AGSは、三大学が国際的なパートナーシップのもとに、環境保全と文明の持続的発展を目指して現実的な対策などの提言を行う共同研究を推進することを目的としています。プロジェクトの詳細は、URL:http://www.global-alliance.orgでご覧いただけます。
お問い合わせは国連大学広報部へ。
Tel.:(03) 5467-1243/1246
FAX: (03) 3406-7346
本会議の内容に関する詳細や、会議のフォローアップとして今後予定されている活動については下記へお問い合わせ下さい。(日本語可)
国連大学 学術研究官 ジェリー・ベラスケズ
E-mail: jerry@geic.or.jp
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