2000年10月27日
UNU/J30/00
 
 

 

途上国に多数の死者など、大きな気象災害
1997〜98年のエルニーニョの影響調査報告書


このリリースは、国連大学、国連環境計画および世界気象機関が共同で東京、ワシントン、ナイロビ、ジュネーブで27日に同時発表しているニュースリリース(英文)の短縮版です。エルニーニョ調査報告書の全文はhttp://www.esig.ucar.edu/unに掲載されています。

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南米エクアドルからペルー沖にかけて起きる海水温の異常な上昇、エルニーニョはさまざまな異常気象の原因となり、地球の各地に大きな災害をもたらしています。たとえば1997年から98年にかけてのエルニーニョは暴風雨、熱波、火災、洪水、降霜、干ばつなどの災害によって、数千人の死者と320億ドルから960億ドルに達する損害を世界に及ぼしています。これらの災害を防ぐためにはエルニーニョの正確な予測と、それに基づく対策が必要です。そのため国連環境計画(UNEP)、国連大学(UNU)、世界気象機関(WMO)、国際防災戦略事務局(ISDR)の4国連機関は、米国の大気研究センター(NCAR)の協力、国連財団の資金援助を得て、途上国を中心とするエルニーニョ災害の調査を行い、このほどその結果をまとめました。

この調査はバングラデシュ、中国、コスタリカ、キューバ、エクアドル、エチオピア、フィジー、インドネシア、ケニヤ、モザンビーク、パナマ、パプアニューギニア、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ベトナムの16カ国を対象に、19ヵ月間にわったて1997~98年のエルニーニョの影響を中心に行われました。特に途上国の社会がエルニーニョ関連のさまざまな事象にどう対応したかをめぐり、政府の既存の組織、管理方法、情報の流れ、予測能力、早期警報、災害対策などの状況が分析されました。

調査の報告では、エルニーニョ現象は広域的な気象の変動、変化と不可分であり、政府、非政府機関が協力して気象予測の能力を高め、異常気象の影響を緩和するための政策を確立すべきであること、特に各国政府が高いレベルで対応に乗り出すことが、適切な対策実現のために必要である、ことが指摘されています。当然のことながら地球規模の気象観測のための国際協力が不可欠で、インド洋上に気象データ記録ステーションを配置、衛星でデータをモニターすることも提案されています。

ハンス・ファン・ヒンケル国連大学学長は「エルニーニョは異常な現象ではなく、平均して2年から7年おきに発生する、地球規模の気象システムの中で予測可能な部分になりつつある。われわれはこの現象の理解を深め、大きな被害の対策を講じなければならない。われわれの優先的課題はこうした問題に対応する途上国の能力を高めることだ。各国の中でリスクの高い地域、人々を特定し、災害に備える力を付けるべく研究者を育てる必要がある」と述べています。

国連大学はNCAR、WMOと協力し、ISDRの支援を得ながら、総合的な訓練プログラムを発展させていくための資金援助機関を求めています。


詳細については国連大学広報部にお問い合わせ下さい。

電話 (03) 5467-1243 / 1246       Fax (03) 3406-7346